フライホイールモデルで小さな会社の成長戦略を描く!実践方法と仕組み作り | 株式会社toritoke

2023.04.09

フライホイールモデルで小さな会社の成長戦略を描く!実践方法と仕組み作り

フライホイールで成長戦略を描く

MAやCRM、SFAなどのデジタルツールの導入により、企業は顧客体験(CX)を可視化し、自社の顧客に対する理解を深めることが可能になりました。従来のマーケティングや営業では「ファネル」モデルが主流でしたが、その課題を解決する新たなアプローチとして「フライホイール」が注目を集めています。

本記事では、デジタル技術を活用して顧客体験を可視化し、成長戦略に役立てる「フライホイール」モデルについて解説します。

「広告やオウンドメディアを運用しているけど持続的な効果が得られない」「マーケティング施策に一貫性がない」などと悩みのある小さな会社の経営者にこそ読んで欲しいです。是非、参考にしてください。

フライホイールモデルとは

フライホイールとは、直訳すると「回転体」や「遠心力発電機」などになりますが、ビジネスの世界で使われる場合は、企業が自社のエネルギーを増幅させ、持続的な成長を実現するために、車輪を連続的に回転させるようなシステムやプロセスのことを指します。

米国の顧客関係管理(CRM)ソフトウェア企業であるHubSpotが提唱しました。HubSpotは、2018年に公開した自社のウェブサイトにおいて、フライホイールを「顧客中心のマーケティング、営業、カスタマーサポートのアプローチ」として定義しています。

また、hubspotはフライホイールを、従来のマーケティングや営業のファネルモデルよりも効果的なアプローチであると主張し、多くの企業から注目を集めています。

ファネルモデルが抱える問題点

マーケティングや営業において、従来から採用されているファネルモデル。潜在的な顧客を段階的に取り込んでいくプロセスを表しており、最初は多数の人々が興味を持ち、段階を追って興味を持ち続ける人が減っていくという形で表されます。

ファネルモデルの考え方

  • 認知(Awareness):商品やサービスの存在を知ってもらう
  • 興味(Interest):商品やサービスに興味を持ってもらう
  • 検討(Consideration):商品やサービスを検討する
  • 購入(Purchase):商品やサービスを購入する
  • リピート(Repeat purchase):再度商品やサービスを購入する

しかし、ファネルモデルでは、マーケティングや営業が「取り込む」ことに注力し、取り込んだ後はその人たちとの接触を絶つ傾向があります。これは、一度顧客を獲得したら、その顧客との接触が途切れるということであり、顧客の継続的な関与を図ることができません。

さらに、ファネルモデルでは企業と顧客との間には、商品やサービスを提供するという「取引」の関係があるだけで、顧客のニーズや要望を深く理解することは必ずしも重要視されません。

そのため、顧客が必要とする情報や製品、サービスを提供することができても、顧客とのつながりが続かなければ、長期的な関係性を築くことはできないのです。これがファネルモデルの課題といえます。

その他にも以下の課題が見受けられます。

ファネルの課題

  • 購買プロセスにおいて、購買候補者が減少することが多い
  • プロセスが一方向のため、顧客のフィードバックや意見を反映できない
  • 営業とマーケティングが切り離されており、情報の共有が不十分
  • プロセスが終了した段階で顧客との関係が切れてしまうことがある

これらの要因からフライホイールモデルが注目される理由でもあります。

フライホイールとファネルの違い

フライホイールとファネルは、ビジネスにおける成長戦略において使用されるモデルですが、アプローチや考え方が大きく異なります。

ファネルは、広告やマーケティングにおいて、見込み客を段階的に獲得し、購入につなげるためのプロセスを表現したものです。一般的に、「認知」「関心」「検討」「購入」「ロイヤルティ」といった段階に分かれ、見込み客を徐々に絞り込んでいきます。しかし、このモデルでは、購入後の顧客への対応や顧客獲得後のフォローアップなどのプロセスが煩雑であり、継続的な顧客エンゲージメントやリピート率の向上が困難であるとされています。

一方、フライホイールは、顧客中心のアプローチをとり、企業と顧客との関係性を重視するモデルです。顧客が企業の製品やサービスを利用し、その経験が良ければ、顧客がリピート購入をするようになり、口コミによって新しい顧客を獲得することで、自然なサイクルが生まれます。このモデルでは、企業が顧客のニーズに合わせた製品やサービスを提供し、顧客エクスペリエンスの向上やリピート率の向上を促進することができます。

つまり、ファネルは段階的なプロセスを重視する一方、フライホイールは、継続的な関係性の構築を重視しています。

経営戦略におけるフライホイールモデルの役割

経営戦略におけるフライホイールモデルの役割は、持続的な成長を実現することです。顧客体験を重視し、口コミやリピート購入を促進することで、継続的な収益を得られるようになります。また、フライホイールモデルは、単なるマーケティング手法としてだけでなく、経営戦略の一環としても利用されることが大きな特徴です。

フライホイールモデルにはAttract(惹きつける)、Engage(信頼関係を築く)、Delight(満足させる)の3つのステージがあり、それぞれのステージで推力を加えることで、素晴らしい顧客体験を提供することができます。

Attract(惹きつける)

Attract(惹きつける)は、顧客を集めるステージで、有益なコンテンツで訪問者を惹きつけ、訪問者が情報収集しやすい環境を整えることが重要です。具体的には、以下のような手法があります。

  • コンテンツマーケティング
  • SEO(検索エンジン最適化)
  • ソーシャルメディアマーケティング
  • ソーシャルセリング
  • 有料のターゲティング広告
  • コンバージョン率の最適化

それぞれ解説します。

コンテンツマーケティング

自社が提供する製品・サービスに関する情報や業界情報、トピックスなどのコンテンツを提供することで、訪問者の関心を引きます。コンテンツには、ウェブサイトに掲載する記事やブログ、eBook、ホワイトペーパー、インフォグラフィック、動画など、様々な種類があります。

自社が提供する製品やサービスに関する情報や業界情報、トピックスなどのコンテンツを提供することで、訪問者の関心を引き、自然な流れで興味を持っていただくことができます。

SEO(検索エンジン最適化)

検索エンジンの検索結果で上位に表示されるように、自社のウェブサイトを最適化することで、訪問者の流入を増やします。

具体的には、自社のウェブサイトのページのタイトルやメタディスクリプション、URL、ページ内のキーワードの適切な配置、外部からの被リンクの獲得など、検索エンジンで上位表示されやすくすることで、訪問者を集めることができます。

ソーシャルメディアマーケティング

Facebook、Twitter、Instagramなどのソーシャルメディアを利用して、自社の製品やサービスを紹介し、訪問者を集めます。

ソーシャルセリング

ソーシャルメディア上で、個別のユーザーにアプローチして、製品やサービスを紹介する手法です。ソーシャルメディアには、Facebook、Twitter、Instagram、LinkedIn、YouTube、Pinterest、TikTokなどがあり、それぞれのプラットフォームに合ったコンテンツを作成し、ターゲットに合わせた投稿を行うことで、より効果的なコミュニケーションがとれます。

フォロワーとのコミュニケーションを深めることで、ユーザーと信頼関係を築くことができ、口コミで新たな訪問者を獲得することができます。

有料のターゲティング広告

有料のターゲティング広告は、Facebook広告やGoogle広告などの広告を、ターゲット層に向けて配信することで、訪問者の流入を増やす方法です。ターゲット層には、年齢、性別、地域、趣味、関心などの属性を設定することができます。

また、配信する広告の種類も、テキスト広告、画像広告、動画広告など多様な種類があります。有料広告は、コンテンツマーケティングやSEOなどのオーガニックな手法に比べて、効果的に短期間で訪問者の獲得ができることが特徴です。

コンバージョン率の最適化

コンバージョン率の最適化は、自社のウェブサイト上で訪問者が目的とする情報にスムーズにアクセスできるようにすることで、顧客に繋がる可能性を高めることを目的とします。具体的には、ウェブサイトの構成やデザインの改善、コール・トゥ・アクション(CTA)の設置、フォームの簡略化、ショッピングカートの改善などが効果的です。

また、アクセス解析ツールを用いて訪問者の行動を把握し、改善点を特定することも重要です。コンバージョン率の最適化は、良好な顧客体験を提供することで、顧客ロイヤルティの向上にも繋がります。

Engage(信頼関係を築く)

フライホイールのEngageステージの目的は、見込み顧客との信頼関係を築くことで、顧客が自社の製品やサービスを選び、継続的な購入や口コミにつながることを促進することです。顧客との信頼関係を築くことで、顧客にとって有益な情報を提供することで、顧客満足度を向上させ、長期的なビジネス関係を築くことができます。

具体的には、以下のようなアクションを実施することが考えられます。

メールマーケティングの実施

メールマーケティングは、見込み顧客がサイトに訪れた際に、メールアドレスの収集を行い、その後、商品やサービスの情報を提供し続けることで、顧客とのコミュニケーションを深める手法です。

​​自社の製品やサービスに関する情報だけでなく、業界の最新情報やトピックス、顧客にとって有益な情報を提供することで、顧客の興味を引き、信頼関係を築くことができます。

ソーシャルメディアの活用

ソーシャルメディアを通じて、見込み顧客とのコミュニケーションを深め、信頼関係を築くことができます。例えば、SNS上で製品やサービスに関する情報を発信し、コメントやメッセージに対して返信することで、見込み顧客との関係を強化することができます。

Web接客の導入

Web接客は、顧客とリアルタイムな対話を可能にし、質問や不安に迅速かつ適切に対応できるため、顧客の商品やサービスへの理解を深め、購買意欲を高めるのに役立ちます。また、顧客からのフィードバックを収集し、サービスの改善やニーズの把握にも活用できます。

Web接客には、ライブチャットツールやチャットボットを導入するのが一般的です。これらのツールを使うことで、自社のウェブサイト上で迷った顧客に対応でき、不安を解消することができます。商品やサービスに関する疑問や質問にも、即座に回答することで、購買意欲を高めることができます。

さらに、Web接客を通じて顧客の情報を収集し、個別の提案を行うこともできます。たとえば、購買履歴や属性に基づいた提案をすることで、顧客に合わせた魅力的な提案を行うことができます。また、顧客からのフィードバックを収集することで、サービスの改善やニーズの把握に役立てることもできます。

オン・オフによるイベントの開催

コロナ以前では、オンラインイベントが主流でしたがコロナ禍以降では、どこからでも参加できるオンラインイベント(ウェビナー)が主流となりました。

オン・オフによるイベント開催の目的は、参加者に自社の製品やサービスについて理解してもらい、興味を持ってもらうことや、新しい情報を提供することです。

オフラインイベントでは、会場で直接製品やサービスを見てもらい、触れてもらうことができます。一方、オンラインイベントでは、ウェビナー形式で製品やサービスについて説明し、参加者とのコミュニケーションを取ることで、製品やサービスについて理解を深めてもらうことができます。

オンラインイベントの場合、地域や時間の制限がないため、より多くの参加者を集めることができます。これにより、より多くの人々に製品やサービスを知ってもらうことができ、潜在的な顧客を獲得することができます。オフラインイベントに比べてコストが低く抑えられるため、効率的にマーケティング活動を行うことができることが特徴です。

資料(ホワイトペーパー)の提供

自社の製品やサービスやその領域についてのノウハウ、最新情報を提供することは、顧客の購買意欲を高めるために欠かせません。また、顧客にとって有益な情報を提供することで、信頼関係を築くこともできます。

具体的には、ブログやメールマガジン、ダウンロード資料、ウェビナーなど、様々な形式で資料提供を行い、それによって収集した顧客情報を基に、マーケティング活動を行うことでより効果的に顧客と信頼関係を築くことができます。

これらの手法を上手く組み合わせ、顧客との信頼関係を築き、長期的なビジネス関係を構築することがEngageでは重要です。

Delight(満足させる)

Delightステージでは、顧客の目標達成を的確に支援し、顧客の成功を自社の成功と捉えることが重要です。顧客の成功をサポートすることで、より強い信頼関係を築き、リピート率や口コミを促進することができます。

具体的には、以下のようなアクションを実施することが考えられます。

顧客サポートの強化

顧客サポートを強化することで、顧客の目標達成をサポートし、顧客満足度を高めることができます。例えば、問い合わせ窓口の設置やチャットサポートの提供、FAQやヘルプセンターの整備などがあります。また、サポートの品質やスピードを改善することで、顧客満足度を向上させることもできます。

定期的なフォローアップ

製品やサービスの導入後も顧客とのコミュニケーションを継続することで、顧客が直面する問題に迅速に対応し、顧客の成功を支援することができます。例えば、問題や課題があった場合には、適切な対応を行い、顧客が不安を感じることなく目標を達成できるよう支援することが重要です。

特別なプロモーションやサポートの提供

顧客がより一層満足度を高めるために、特別なプロモーションやサポートを提供することも有効です。例えば、顧客に対して割引キャンペーンを実施する、製品の無料アップグレードを提供する、専任担当者をアサインするなど、顧客にとって価値のあるサポートを提供することができます。

顧客成功ストーリーの共有

自社の製品やサービスを活用して顧客が成功した事例を共有することで、他の顧客にもインスピレーションを与えることができます。成功ストーリーを定期的に共有することで、顧客の成功を支援するとともに、製品やサービスの価値を再確認してもらうことができます。

DelightからAttractへ繋げる

Delightステージで顧客が成功を感じることができれば、自然と口コミや紹介につながることがあります。Delightから再びAttractへ繋げることは、フライホイールモデルの最大の特徴と言えるでしょう。

起点となるのは、上記で紹介したアクションを実践することで、顧客の状況を把握することです。そして、顧客に最適な提案を行い続けることで長期的な関係を築き、自社の製品やサービスに満足している状態を作ることが重要です。そのためには、顧客の成功を自社の成功と捉える思考が大切なのです。

このように、顧客からの口コミによって新しい顧客を獲得することができる流れを作ることによって、再びAttractステージに戻り、新しい顧客を獲得することができます。

フライホイールモデルで得られるメリット

フライホイールモデルを実践することで得られるメリットは以下のとおりです。

収益性の向上

顧客との長期的な関係を築くことで、リピート購入や口コミによる新規顧客獲得が増え、収益性が向上します。

例えば、顧客満足度が高い場合、リピート購入率が向上し、それに伴い売上が安定して増加することが考えられます。また、顧客からの口コミや紹介により、新規顧客の獲得につながります。これにより、広告費を削減することができるため、コスト削減にもつながります。

競合優位性の確立

フライホイールモデルでは、Attract、Engage、Delightの3つのステージが相互に作用しており、これらを繰り返し実施することで、顧客体験の向上や顧客との継続的な関係構築に取り組むことができます。これにより、競合他社との差別化を図ることができ、競合優位性を確立することができます。

Attractにおいては、他社と比較してより魅力的な価値提案をすることが必要であり、EngageやDelightにおいては、より優れたサービスや製品を提供することで顧客の満足度を高め、顧客からの信頼を得ます。

これにより、ビジネスの継続的な発展につなげることができ、競合他社が同じようなアプローチを取っていない場合は、顧客に新しい付加価値を提供することで、より競合優位性を強固にできるでしょう。

ブランド価値の向上

顧客との継続的な関係構築や顧客満足度の向上により、顧客からの口コミや紹介によって、ブランド認知度やブランド価値を向上させることができます。また、顧客がブランドに対してポジティブなイメージを持つような体験を提供することで、ブランドの価値を高めることができます。

組織の成長

Attract、Engage、Delightの3つのステージが連続的に回転していくことで、エネルギーを増幅させ、組織の成長を促します。
新規顧客の獲得に注力するAttractにおいては、顧客のニーズや要望を理解し、魅力的な価値提案を行い、顧客の関心を引くことが必要です。EngageやDelightにおいては、顧客とのコミュニケーションを通じて顧客満足度を高め、リピート購入や口コミによる新規顧客獲得に取り組むことで、ビジネスの成長を促進することができます。

フライホイールモデルを導入することで、組織全体が顧客志向の文化に浸透し、顧客のニーズや要望を深く理解することができます。これにより、継続的な改善や製品やサービスの最適化を図り、組織の成長に繋げることができます。

顧客のニーズや要望を深く理解できる

継続的な顧客との関係構築により、フィードバックやアンケート調査を通じて、顧客のニーズや要望を深く理解することができます。その結果、製品やサービスの改善や新規開発につなげることができ、顧客の満足度向上にもつながります。

総合的なマーケティング効果の最大化

Attract、Engage、Delightの3つのステージが相互に作用し合っており、一度動き出すと継続的に顧客を取り込み、育成することができます。このことで、総合的なマーケティング効果を最大化し、コストを抑えながら、収益性の向上にも貢献することができます。また、各ステージにおいて、分析や改善施策の実施によって、より効果的な施策を打つことができます。

PDCAサイクルの実現

フライホイールモデルによって、PDCAサイクルを実現することができます。具体的には、Attract、Engage、Delightの3つのステージにおいて、顧客からのフィードバックを定期的に収集し、改善点を洗い出して改善することで、サイクルを回すことができます。

Attractにおいては、顧客のニーズに合った魅力的な価値提案をすることで、EngageやDelightにおいては、顧客満足度を高めるために問題点を洗い出し、改善案を提案することが重要です。これにより、顧客からの信頼を得られるだけでなく、競合優位性を確立します。

このようにPDCAサイクルを実現することで、ビジネスの継続的な発展につなげることができます。また、顧客との継続的な関係構築にも繋がり、顧客ニーズを把握し、製品やサービスの改善に繋げます。

ビジネスプロセスの改善

フライホイールモデルは、ビジネスプロセスの改善にもつながります。Attract、Engage、Delightの3つのステージにおいて、顧客が求める情報やサービスを提供するための最適な方法を探索し、ビジネスプロセスを改善することができます。

例えば、Attractにおいては、顧客が検索エンジンで求めるキーワードに合わせたSEO対策を行うことで、より多くの潜在顧客を獲得することができます。また、EngageやDelightにおいては、よりスムーズなコミュニケーションやサービス提供を行うことで、顧客満足度を向上させ、リピート購入や口コミによる新規顧客獲得につなげることができます。

フライホイールモデルの実践方法

それではフライホイールモデルを仕事の現場でどのように実践できるのかをみていきましょう。今回は人材紹介会社を例に解説していきます。

フライホイールモデルを実践する手順

  • 目標・KPIの設定
  • ビジネスプロセスの分析と可視化
  • 顧客体験の改善
  • データ分析とマーケティング効果の最大化
  • プロダクトやサービスの継続

それぞれ解説します。

目標・KPIの設定

フライホイールモデルでは、自社の業績や顧客獲得の状況を可視化し、改善点を見つけることが重要です。そのためには、適切なKPI(Key Performance Indicators)を設定することが必要不可欠です。

KPIはAttract、Engage、Delightのステージごとに合わせてそれぞれ設定すると良いでしょう。


人材紹介会社における各ステージごとのKPI例

  • Attract:求人票へのアクセス数から応募数まで
  • Engage:求職者との面談数からオファー受諾率まで
  • Delight:採用数から口コミ、紹介数まで

AttractステージのKPI例

人材紹介会社のAttractステージにおけるKPIは、以下のような指標が考えられます。

  • アクセス数
    自社Webサイトのアクセス数。集客力やSEO対策の評価に使用されます。
  • 求職者の登録数
    自社に登録した求職者数。集客効果の評価に使用されます。
  • 求人数
    自社が取り扱う求人数。自社の取り扱い求人量や取引先の広告掲載力の評価に使用されます。
  • 応募数
    自社求人に対する応募数。求人の魅力度や求職者に対するアプローチ力の評価に使用されます。

Attractステージでは、上記のようなKPIを使用して、求職者の集客や自社WebサイトのSEO対策を評価することができます。

例えば、アクセス数が少ない場合は、自社Webサイトの改善やSEO対策や広告を強化することで、集客力を向上させることができます。また、求職者の登録数が少ない場合は、求人情報の充実や求人ページの改善、求職者へのアプローチ方法の見直しなど、改善策を検討することが重要です。

EngageステージのKPI例

Engageステージでは、求職者との関係構築やスムーズな選考進行に焦点が当てられます。

  • 求職者との面談数
    求職者と面談した回数。求職者との関係構築やスムーズな選考進行の評価に使用されます。
  • 取引先企業との面談数
    取引先企業と面談した回数。企業との信頼関係構築やニーズの把握の評価に使用されます。
  • コンバージョン率
    応募から面談や企業面談に至るまでの割合。求職者の採用意欲や企業の選考プロセスのスムーズさの評価に使用されます。
  • スピード度数
    応募から面談までの日数や、面談から次のステップまでの日数。求職者や企業との関係構築や選考プロセスのスムーズさの評価に使用されます。
  • 提案書の回転率
    取引先企業へ提案した候補者の採用決定率。候補者の企業への適合度や提案力の評価に使用されます。
  • フィードバックの回転率
    求職者や取引先企業へのフィードバックの回答率。信頼関係構築やスムーズな選考進行の評価に使用されます。
  • 候補者のオファー受諾率
    自社から提案した求職者のオファー受諾率。求職者との信頼関係や自社の提案力の評価に使用されます。ここでいうオファー受諾とは採用ではなく、オファーを受けた候補者が採用に同意するかどうかは、また別の指標になります。

このようにEngageステージでは、上記のようなKPIを使用して求職者や取引先企業との関係構築や選考プロセスのスムーズさを評価します。

求職者との面談や企業との面談数は、信頼関係の構築につながり、候補者の適合度や提案力も評価することができます。コンバージョン率やスピード度数は、求職者や企業が採用プロセスに参加する意欲や継続参加する意向を評価します。

提案書の回転率は、候補者が採用されるかどうかに影響する重要な要素であり、フィードバックの回転率は、求職者や企業がスムーズな選考プロセスを経験することができるかどうかを評価することができます。

候補者からのオファー受諾率は、自社の提案力や求職者との信頼関係を評価する重要な要素です。オファー受諾率が高い場合、求職者が自社に対して高い興味関心を持っていることや、自社の提案力や求職者との信頼関係が強いことを示唆します。

DelightステージのKPI例

Delightステージは、求職者や取引先企業が採用や入社後の定着に成功し、長期的な関係を築くことを目的としたステージです。このステージでは、以下のようなKPIを使用して業績を評価することができます。

  • 採用数・採用率
    採用した人数とその割合。採用力や選考プロセスの改善の評価に使用されます。
  • 候補者の入社後定着率
    採用した候補者が企業に定着する割合。採用力や研修プログラムの評価に使用されます。
  • 取引先企業の定着率
    紹介した人材が企業に定着する割合。取引先企業との信頼関係構築や人材提供力の評価に使用されます。
  • 候補者や取引先企業からの紹介の獲得数
    既存の候補者や取引先企業からの紹介によって獲得できた人数。サービス品質や顧客満足度の評価に使用されます。
  • 入社後フォローアップ数
    採用された候補者に対して、入社後に行ったフォローアップ数。候補者との信頼関係構築や長期的な関係性の評価に使用されます。
  • 顧客満足度
    採用した候補者や取引先企業からの満足度の調査。サービス品質や顧客ロイヤルティの評価に使用されます。
  • 再利用率
    過去に取引のあった候補者や取引先企業と再度取引を行った割合。人材提供力や信頼関係構築の評価に使用されます。
  • 口コミ・評価サイトの評価
    候補者や取引先企業からの口コミや評価サイトの評価。サービス品質や評判の評価に使用されます。
  • LTV (顧客生涯価値)
    顧客が取引先企業との関係を継続する期間にわたってもたらす見込まれる収益の総額。長期的な関係性の評価に使用されます。

LTVは、人材紹介会社が取引先企業と長期的な関係を築き、収益を見込めるかどうかを評価する指標です。顧客が取引先企業との関係を継続する期間にわたってもたらす見込まれる収益の総額であり、取引先企業との関係性を深め、収益を最大化することが目的とされます。

以上のKPIを総合的に評価することで、人材紹介会社は自社の業績を正確に把握し、改善点を見つけることができます。また、求職者や取引先企業からの評価や口コミを基にした改善策を実施することで、サービス品質の向上につなげることができます。

ビジネスプロセスの可視化

ビジネスプロセスの可視化とは、ビジネスの流れを図や表で表現することで、ビジネスの全体像を把握することができる手法です。人材会社においては、採用プロセスや紹介プロセスなどのビジネスプロセスを可視化することで、業務の進捗状況や問題点を把握することができます。

例えば、人材会社の採用プロセスを可視化する場合、求人広告の掲載からエントリー、選考、内定、入社までの流れを図にすることが考えられます。各フェーズでの担当者や役割、進捗状況、問題点などが明記されていることが望ましいです。

仮に採用選考の進捗が滞っている場合には、応募者とのコミュニケーション不足、選考プロセスが複雑、システムの不具合などが考えられます。このように問題点を特定し、改善策を考えることができます。

企業側へ人材を紹介するプロセスを可視化する場合には、企業への提案から面談、選考、採用までの流れを入れましょう。

例えば、採用企業から求められる人材の要件や求人情報の内容を明確にすることで、適切な求人情報を作成することができ、採用企業との面談や打ち合わせ時に何をヒアリングすべきかを明確にすることで、スムーズなコミュニケーションを実現することができます。

ビジネスプロセスの可視化は、業務の効率化や改善につながるため、非常に重要な手法であると言えます。

顧客体験の改善

顧客体験の改善は非常に重要な課題です。顧客がスムーズかつ満足度の高い採用プロセスを経験することは、長期的な関係性の構築につながります。以下に、顧客体験の改善に役立つアプローチとして考えられるポイントをいくつか紹介します。

1. 常に顧客目線で考える

顧客体験の改善には、常に顧客目線で考えることが大切です。採用プロセスにおいて顧客がどのような課題を抱えているのか、どのようなニーズがあるのかを理解し、そのニーズに応えることが求められます。また、顧客とのコミュニケーションを密にし、フィードバックを受け取ることも大切です。

2. オンライン化の推進

近年、コロナ禍によりオンラインでの面接や選考プロセスが一般的になってきています。人材紹介会社も、オンライン化に対応することが必要不可欠です。例えば、選考プロセスの一部をオンライン化することで、時間やコストの削減が可能となります。

3.顧客への情報提供

顧客に対して、求職者の情報提供や取引先企業の情報提供を積極的に行い、顧客がより良い判断を行えるようにすることも大切です。また、求職者や取引先企業とのコミュニケーションを積極的に行い、顧客に信頼感を与えることも重要です。

また、候補者の情報を管理するCRMシステムや、選考プロセスを自動化するツールなども積極的に活用しましょう。

4. プロセスの見直し

採用プロセスにおいて無駄なステップがある場合は、それを削減することでスムーズに進めることができます。また、選考プロセスにおいて候補者にストレスを与えるようなことがあれば改善することが求められます。

5.従業員教育の充実

従業員教育の充実は、サービス品質や顧客対応力の向上につながります。従業員のモチベーションを向上させるためには、報酬制度やキャリアアップの機会、フィードバックやコミュニケーションの充実が必要です。自己成長を実感できる研修や教育プログラムの提供も検討しましょう。

データ分析とマーケティング効果の最大化

マーケティング効果を最大化するためには、顧客のニーズを理解し、商品やサービスに合わせたマーケティング戦略を策定することが重要です。具体的には、以下のようなアプローチが挙げられます。

1. ターゲット層の明確化

ターゲット層を明確に定め、その層に合ったマーケティングを行うことで、マーケティング効果を高めることができます。ターゲット層を明確に定めるためには、調査やデータ分析などを行うことが必要です。

例えば、人材会社が求人広告を出す場合、どのような業種・職種の人材を対象にするのか、どの地域に居住する人を対象にするのか、などを明確に定めることが大切です。

2. 製品やサービスの特長の明確化

自社の製品やサービスの特長を明確にし、それをアピールすることで、競合他社との差別化を図ることができます。また、特長をアピールする際には、具体的なエビデンスを示すことが重要です。

例えば、人材会社の場合、自社が提供する求人情報の量や質、採用サポートの充実度、コストパフォーマンスなどが特長になります。この特長をアピールするために、自社サイトやSNS、掲載媒体などで具体的な事例や実績を紹介し、競合他社との差別化を図ることができます。

3. マーケティング施策の多角化

マーケティング施策を多角化することで、顧客に訴求する幅を広げることができます。SNSやブログ、メールマガジン、オンライン説明会などのデジタルマーケティング施策を組み合わせることで、より効果的なマーケティングが可能となります。

人材会社では、求職者向けとして、求人情報の掲載や求人サイトの運営、SNSやブログでの情報発信、求職者向けのメールマガジンの配信などが挙げられます。

採用企業向けには、人材紹介の提案やコンサルティング、採用イベントの開催、オンライン面談の提供などが効果的です。これらのマーケティング施策を組み合わせることで、幅広い層に訴求することができます。

求職者と企業双方のニーズを把握し、双方をマッチングさせることで、採用成功率の向上にもつながります。

4. データの活用

データを収集し、分析することで、顧客の行動や嗜好を把握し、それに合わせたマーケティング施策を打つことができます。

例えば、人材会社が求職者向けに求人情報を発信する際、どの求人情報がよく閲覧され、応募されたかをアクセス解析で把握することができます。そのデータを元に、閲覧数や応募数の高い求人情報を強化することで、より多くの求職者にアピールすることができます。

また、採用企業に向けたマーケティング施策においても、データの活用は重要です。例えば、どの業界や職種の人材が求められているか、どの採用方法が最も効果的かなどのデータを収集し、分析することで、より適切な提案やコンサルティングができます。

データの活用には、データ分析の技術が必要となります。人材会社では、データ分析に長けた専門家を採用することや、外部のデータ分析会社との提携などが有効な手段となります。

5. 分析と改善の繰り返し

マーケティング効果を最大化するためには、マーケティング施策の分析と改善を繰り返すことが必要です。分析には、顧客の反応や行動を把握するためのデータ分析やアクセス解析などが用いられます。また、顧客からのフィードバックを収集することも重要です。

例えば、求人情報の掲載件数やアクセス数、クリック数、エントリー数、滞在時間、離脱率などの指標を測定し、改善点を把握します。また、採用イベントについても、参加者数やエントリー数などの指標を測定し、改善点を把握します。

さらに、効果的な営業活動を実施するためにも、営業担当者の活動報告や成果、営業活動による問い合わせ数やクロージング数などのデータを収集し、分析することが重要です。分析の結果から、改善点を把握し、適切な施策を実施することで、より効果的な営業活動を実現できます。

プロダクトやサービスの継続

プロダクトやサービスの継続とは、製品やサービスを開発・提供した後も、その維持・改善・拡大を行い、顧客に価値を提供し続けることを指します。製品やサービスを提供するだけではなく、顧客のニーズに合わせたアフターサービスやサポートを提供することも重要です。

プロダクトやサービスの継続においては、以下のようなポイントが考慮されます。

1. 顧客ニーズの理解

プロダクトやサービスの継続において、まず重要なのは顧客ニーズの理解です。顧客の声や要望を収集し、そのフィードバックをもとに、改善や拡大を行うことが必要です。

例えば、求職者が求める情報や使いやすさを把握し、求人情報の掲載方法やサイトの構成を改善することで、求職者の利便性を高めることができます。

2. 製品・サービスの改善

製品やサービスに不満や問題点がある場合には、改善を行うことが必要です。顧客の声を集め、改善点を洗い出し、その改善に向けた施策を実施することで、顧客満足度を向上させることができます。

例えば、求職者から「求人情報の掲載が少なく、応募先が見つけにくい」という不満の声を受けた場合、求人情報の掲載数を増やすなどの改善策を実施することで、求職者の利便性を向上させることができます。

また、採用企業から「採用につながる人材が少ない」という不満の声を受けた場合には、求人媒体の見直しや採用プロセスの改善などの施策を実施することで、採用成功率を向上させることができます。

3. 新しい技術やトレンドの取り入れ

市場のトレンドに合わせた改良や機能追加を行うことで、顧客のニーズに合わせたプロダクトやサービスを提供することができます。

例えば、求人情報サイトに最新のAI技術を導入することで、求職者のニーズに合わせた求人情報の提供や自動応募の機能を追加することができます。

4. マーケティング施策の見直し

計画したKPIに到達していない場合、マーケティング施策を見直しましょう。顧客がどのような情報収集方法を好むのか、どのような媒体を利用しているのかを把握し、それに合わせたマーケティング施策を再設計することが重要です。

例えば、広告を出稿する媒体を見直す場合、求職者が利用する求人情報サイトやSNSの利用状況や傾向、採用成功事例などを調査しましょう。働き方も多様化され、求職者や企業のニーズは年々変化するため、定期的なマーケティング施策の見直しや改善が必要となります。

5. アフターサポートの提供

プロダクトやサービスを提供するだけでなく、アフターサポートの提供も重要です。顧客からの問い合わせに対応したり、トラブルに対応したりすることで、顧客満足度を向上させることができます。

求職者や採用企業からの問い合わせや相談に迅速かつ丁寧に対応したり、採用後のフォローアップやフィードバックの収集を行い、企業や求職者のニーズに合わせたサービスの提供を行ったりなどアフターサポートの提供は、長期的な顧客関係の構築にもつながります。

6. ロードマップの策定

プロダクトやサービスの継続においては、将来的な展望も重要です。そのためには、ロードマップの策定が必要です。将来的にどのような方向性を持たせるのか、どのような機能を追加するのかを明確にし、その実現に向けた計画を立てることが重要です。

人材紹介会社のロードマップでは、求職者と企業双方のニーズに合わせたより質の高いサービス提供や、オンライン化やデジタル技術の導入による効率化を図ったり、社会的な課題解決や地域貢献にも取り組むなど、企業価値の向上と共に社会貢献も意識した事業展開を目指すことができます。

ロードマップの策定には、市場動向や技術トレンド、顧客ニーズの変化などを分析し、将来的な事業展開の方向性を明確にすることが重要です。

小さな会社こそフライホイールを導入しやすい理由

ここまで、フライホイールの概要や実践方法を人材紹介会社を例に解説しましたが、フライホイールは業界や会社規模を関係なく活用できます。特に大企業よりも小さな会社の方が導入するスピードは早くなるでしょう。その理由には、以下のようなものが考えられます。

1. 大きな投資を必要としない

フライホイールは、プロセスや戦略の改善を中心に据えたアプローチであり、大きな投資を必要としません。小規模な会社でも、リソースの効率的な活用によって、フライホイールを実践することができます。

2. 小回りが利く

小さな会社の場合、大規模な企業に比べ、意思決定が速く、変化に対応することが容易です。そのため、フライホイールの実践によって得られたフィードバックを素早く反映し、プロセスや戦略を改善することができます。

3. 顧客中心のアプローチがしやすい

フライホイールは、顧客のニーズを理解し、そのニーズに合わせたプロセスや戦略を策定することが重要です。小さな会社の場合、顧客とのコミュニケーションが密接になりやすく、顧客のニーズを把握することがしやすいため、顧客中心のアプローチを実践することができます。

4. 成果が早く出やすい

フライホイールは、プロセスや戦略の改善を重ねることで、成果を上げることができます。小さな会社の場合、意思決定が速く、アクションを素早く起こすことができるため、成果を早く出すことができます。

5. チームの共感を得やすい

フライホイールは、組織全体での共通認識を持つことが重要です。小さな会社の場合、メンバー同士の距離が近く、共感を得やすい雰囲気があるため、フライホイールの理念を共有しやすい環境が整いやすいです。

以上のように、小さな会社こそフライホイールを導入しやすい理由があります。小さな会社であっても、リソースの効率的な活用やフィードバックを素早く反映することで、フライホイールを実践することができるのです。

フライホイールモデルを導入して、長期的に売れる仕組みを作ろう!

フライホイールモデルは、従来のファネルモデルに比べて、顧客のニーズに合わせたプロセスや戦略を中心に据えたアプローチであるため、顧客中心のビジネスモデルを実現することができます。

また、フライホイールは、ビジネスモデルだけでなく、組織の文化や戦略にも影響を与え、組織全体が一体となって取り組むことで、より優れたサービスや製品を提供するための動機づけが生まれます。

意思決定が早く、柔軟性のある小さな会社こそフライホイールモデルを取り入れ、迅速かつ柔軟に改善を実践し、持続的に売れる仕組みを作りましょう!

フライホイールモデルを実践するにはhubspotの活用がおすすめ

フライホイールモデルを提唱した企業でもあることから、フライホイールモデルを実践する上で、HubSpotは非常に有用なツールです。

HubSpotを活用することで、顧客のニーズを把握し、そのニーズに合わせたマーケティング、営業、カスタマーサポートの改善が可能になります。また、膨大なデータを分析し、適切なタイミングで顧客とのコミュニケーションを行うこともできます。

導入コストも小さな会社から大企業まで幅広いプランが用意されているため、会社規模に合わせて選択できます。

弊社ではHubSpotの導入・運用支援を行っていますので、フライホイールモデルを実践したい方や課題を感じている方は、ぜひご相談ください。