2021.10.07
基礎化粧品の進化やオーガニック嗜好の広がりとともに、「オーガニック化粧水」に興味を持つ人が増えています。
しかし、なんとなく肌に良さそうというイメージはあるものの、それがなぜ良いのか、具体的に説明することは難しいのではないでしょうか?
この記事では、オーガニック化粧水に興味のある人や既に取り入れている人に向けて、オーガニック化粧水のメリットや、選び方について解説します。
オーガニック化粧水とは、自然由来の成分を中心に配合して作られた化粧水を指します。化学的な成分は全く使用しない、またはごく少量のみを使用して作られ、「人間の肌が本来持つ自然治癒力を助長、回復させることに着目したスキンケア用品」とうたっている化粧品です。
具体的にどのような特徴を持つ化粧水なのか、みていきましょう。
オーガニック化粧水は化学的な成分の代わりに、天然の植物由来成分を高濃度に使用しています。そのため、肌に対する刺激や負担が少ないという特徴を持ちます。
化学的な成分が使われていた理由は、大きく2つあります。1つは少しでも長く、品質を維持するため。2つ目は、肌に対する期待効果をより早く感じられるようにしたり、使い心地を良くしたりするためです。
これまでは植物由来の成分による品質維持が困難であったために添加物に頼っていました。研究開発が進んだことで、今では植物由来の成分でも腐食を防げるため、天然成分のみの化粧水を販売出来るようになりました。
また、従来の化粧水は添加物によって効果実感を早めたり、使い心地の良さを実現していましたが、添加物による肌の負担で肌荒れや乾燥を招くことがありました。
一方、添加物を使わないオーガニック化粧水では効果実感が得られるまで期間が長く感じたり、使い心地に物足りなさを感じるかもしれません。
しかし肌に対する刺激や負担が少ないため、あえてオーガニック化粧水を選ぶ人も多くいます。さらに、オーガニック化粧水には天然精油が配合されることが多く、肌に対する効果だけでなく、香りによるリラックス効果も期待出来ます。
オーガニック化粧水用の植物を育てる際に、農薬を使っていないことも特徴の1つです。農薬を使わないことで、化粧水を使う人にとっては肌への刺激や負担が少ないと言うメリットがあります。
また、植物を育てる人にとっても、体内に農薬を吸い込んでしまうことによる健康被害を改善できるメリットもあります。
農薬による土壌汚染のリスクもなくなり、持続可能な土壌の状態を維持できます。そのためオーガニックの化粧水は、人にも地球にも優しい製品であると言えるのです。
さらなる特徴として、持続可能な成分で作られている点が挙げられます。従来の化粧水では石油成分を含む製品もありますが、石油は限りのある貴重なエネルギー源です。植物は条件さえ揃えば、育て続けることができます。
持続可能な成分で作られた製品を使うことで、結果的に私たち自身がその製品を使い続けられることになります。
植物成分を抽出するため、手間と時間がかかるためオーガニック化粧水は価格が高くなりますが、石油による肌への刺激や環境負荷を含めて考えると、オーガニック化粧水を使うメリットの方が大きいと言えるでしょう。
オーガニックの化粧品を扱う多くのブランドは、自然との調和をテーマに製品作りを行っています。そのため、多くは製品を販売する前の動物実験を行いません。
ブランドによってはミツロウのような動物の労働によって得られる成分の使用も避けています。動物愛護の観点からも、オーガニック化粧水をはじめオーガニック製品を選択する人が増えています。
いざ、オーガニック化粧水を購入しようと思っても、どのように選んだらよいかわからない人も多いのではないでしょうか?ここでは、オーガニック化粧水を選ぶ4つのポイントを解説します。
オーガニック化粧水を選ぶうえでもっともわかりやすい基準は、オーガニックの認証または推奨マークの有無です。たとえパッケージに「オーガニック」と記載があっても、認証・推奨マークがなければ基準をクリアしていない製品になるので注意しましょう。
認証・推奨マークは複数あります。例えば「ECOSART」「JAS」「USDA」や世界統一基準である「COSMOS」のロゴが入っている製品は、オーガニック製品として一定の基準をクリアしています。
マークが複数ある理由として、日本も含めた世界各国にオーガニック認定に携わる団体があり、各団体で定めたオーガニックの基準値、認証マークが存在するという背景があります。
消費者の混乱を回避するため、2010年に「COSMOS(コスモス)基準」と呼ばれる国際的な統一基準が出来ました。
「COSMOS基準」では、遺伝子を組み替えた植物原料の使用、動物の体から産出されたものの使用が禁じている一方、持続可能な原材料の調達及び使用を促進しています。
ただし、COSMOSでは製品の一部で石油の使用を認めているため、製品を買う前に各マークがどのような基準を達成しているのか調べることをおすすめします。
マークの有無と併せて確認しておきたいのが、添加物使用の有無です。添加物とは、合成香料や紫外線吸収剤など、使い心地や効果を求めたうえで安価に製品提供出来るよう加える成分を意味します。
こうした添加物を使用していないものには、「○○フリー」という記載がされているので、気になる成分が入っていないかどうか購入前にチェックしましょう。
なお、COSMOS基準をクリアする範囲内で、防腐剤として少量の石油成分が使われることがあります。そのため、石油成分を含む製品の使用を避けたい場合は、「石油由来成分フリー」「鉱物油フリー」の記載があるかどうかを気にしてみてください。
オーガニック化粧水は、従来の化粧水と比較して保湿効果が低いと思われがちです。保湿効果を期待して購入する場合は、ヒアルロン酸やコラーゲン、セラミドといった保湿成分を含む製品か確認しましょう。
ただし、石油から化学合成を行った「合成セラミド」もあるので、どのように配合された性分なのかも含めて確認出来るといいでしょう。
製品ラベルだけでなく、製品ホームページの成分表も含めて確認すると、より多くの情報を得られます。
化粧水の使用によって、期待する効果を得るには一定期間の使用が大切です。長い期間使うには、製品の使い心地も重要な要素ですね。
化粧水ごとに、テクスチャーや香りに個性があります。使う人が使いたい時間や季節によっても、求めるテクスチャーや香りは変わるでしょう。
特に天然精油を使用した香りを重要視した製品の場合、ラベンダー系、シトラス系など香りの種類も豊富にあるので、ぜひ好みの製品を探してください。
ここからは、オーガニック化粧品のおすすめブランドを3つ紹介します。製品に天然成分のみを使い、動物実験を実施していないブランドをピックアップしたので、参考にしてみてください。
「ARGELAN」は、厳しいオーガニック基準に基づいて商品開発された、東京発のコスメブランドです。大手ドラッグストアである「マツモトキヨシ」で販売されていて、価格も他のオーガニック製品と比較すると手にしやすい価格です。
オーガニック化粧品に対する「百貨店や路面店でしか購入出来ず手に入りづらい」「価格が高くて続けられない」というイメージを払拭しています。
一部の製品にミツロウを使用しているので、ミツロウの使用を購入の判断基準としている方はご注意ください。オーガニック認証を取得した化粧水が、2種類販売されています。
オーガニックコスメブランドとして知名度の高い「WELEDA」は、1921年に前身企業が祖業されました。その後、合併が行われた後、1928年に「WELEDA」という名になりました。
ベルギーに本部を置くオーガニック認証機関「NATRUE(ネイトゥルー)」の認証を取得していて、合成成分は一切使わず、動物実験も行っていません。
アイリス(あやめ)、ワイルドローズをキープラントとして使った化粧水が販売されています。
ラトビア発祥のブランド「MADARA」の製品は、エコサート認証を受けています。
「エコサート」とは、国際有機認定機関として世界最大規模と言われるフランスの認定機関のこと。この機関が定めた基準をクリアした製品にのみ、エコサート認証マークが与えられます。
遺伝子組み換え成分を使用せず、動物実験を一切行っていないブランドです。製品の外箱には再生可能な森林から調達された紙を使い、リサイクルや自然分解ができるようラミネートや光沢をかけないなど徹底した環境配慮を行っています。
化粧水は、ドライ肌向け・ノーマル肌向けの2種類が販売されています。
オーガニック製品と言っても、オーガニック認定基準の成分量やブランドのこだわりポイントによって異なります。
肌には個人差がありますので、用途によってオーガニック化粧水を選ぶようにしましょう。
例えば、敏感肌だから低刺激なものを使いたいという場合は、添加物のないものを選びましょう。動物保護の観点であれば、動物実験を行わないないブランド選びが大切です。
使い心地を重視しているのであれば天然精油を使った、香りの良いものを選ぶこともおすすめです。
メリットやデメリットを参考に自分の用途に合うオーガニック化粧水をみつけましょう。
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