2021.08.30
動物性食品や動物に由来する食品の摂取を避ける「ヴィーガン」。耳にする機会が増えた言葉ではないでしょうか?ヴィーガンフードのバリエーションが増えるなか、ヴィーガンのチョコレートがあることはご存じですか?そこで今回は、ヴィーガンチョコレートについて紹介します。素材に関すること、そして、ヴィーガンチョコレートを選ぶメリットについて、詳しく解説します。
ヴィーガンチョコレートとは、生クリームやバターといった動物性食品、動物に由来する製品を使わずに作られたチョコレートのことです。
近年、注目を集め選ばれている理由、素材や味の違いについて見ていきましょう。
ヴィーガンチョコレートが最近になって注目されるようになった理由として、大きく3つの項目が考えられます。
動物性食品は高たんぱく高カロリーなものが多いため、摂取量を減らすことでダイエットになると考えられています。
また、植物由来の食品への置き換えが、腫瘍や心疾患のリスクを低下させるとも言われていて、毎日の食事だけでなく、チョコレートのような嗜好品も、ヴィーガンのものを選ぶ人が増えています。
こうして「ヴィーガン」という言葉が浸透してきたことで、これまであまりなじみのなかった購買層にもヴィーガン=なんとなく美容によいあるいは健康によいというイメージが定着してきたことも、注目されるようになった理由のひとつと言えます。
動物性食品と比較して、植物性食品の方が環境に優しいと考えられていることも、ヴィーガン食品が選ばれる理由です。
たとえば、世界的に動物性の食品の摂取量が増えると、それだけ家畜の飼育量を増やす必要があります。しかし、家畜を育てるには広大な土地、飼料となる穀物が必要となり、それらを得るために森林伐採がおこなわれます。
また、たとえ水資源が少ない国であっても、家畜を育てるために大量の水を使うこととなります。
さらに、大量の家畜を育てると、同時に多量の二酸化炭素が排出され、温暖化に繋がります。こうした影響を避けるため、ヴィーガン食が選ばれることも増えています。
宗教によって動物へ敬意を持っている場合、そして動物を愛する気持ちから、ヴィーガンを選択する人も多くいます。
同じ理由で、食品に限らず毛皮や羽毛などを避ける人も増えていて、ヴィーガンという選択肢が増えています。
ヴィーガンでない「非ヴィーガンチョコレート」と比較すると、素材・味にはそれぞれ違いがあります。
ヴィーガンの場合は、動物性の素材を使用せず、たとえば非ヴィーガンチョコレートで使用されるミルクは、豆乳やココナッツミルクが使われます。
また、白砂糖はヴィーガン色を作る際は使われません。それは、精製時に動物の骨が使用されるからです。そこで代わりに使われるのが、アガベと呼ばれる植物から作られるアガヴェシロップや、黒糖、メープルシロップです。
チョコレートの味に違いは出ますが、動物性・植物性の違いによるものというよりも、素材そのものによる違いと言えます。
ヴィーガンチョコレートは、価格が高いと感じる方も多いと思います。しかし、ヴィーガンチョコレートを選択することで得られるメリットを知ると、むしろ、その価格は安いと感じるかもしれません。
ヴィーガンチョコレートはまず、食べる人にメリットをもたらします。具体的には大きく3つあります。
チョコレートには、牛乳が使用されることが多くあります。その場合、乳アレルギーを持つ方は、チョコレートを食べることができません。
一方でたとえば、ココナッツミルクを使ったヴィーガンチョコレートが増えれば、アレルギーを持つ人でも、食の選択肢が広がり、チョコレートを食べる楽しみが増えます。
もちろん、アレルギーを持たない人にとっても選択肢が増え、より充実した食生活を楽しめます。
ヴィーガンチョコレートを食べる人へのメリットとして、もうひとつ挙げられるのが、健康や美容としてのメリットです。ヴィーガン食が選ばれる理由として既に挙げた通り、多くのメリットがあると考えられています。
世の中に存在する甘味料の中でも特に、白砂糖は中毒性があると言われています。そのメカニズムは、砂糖の分子は体内に吸収されやすく、摂取後に血糖値が急上昇します。
そこで体内では血糖値を低下させるためにインスリンが分泌され、血糖値を急降下させます。すると今度は、血糖値を上げるために糖分を欲する・・・という悪循環から、中毒になると言われています。
しかし、精製されていないアガベシロップやメープルシロップは、白砂糖と比較すると血糖値の上昇スピードがゆるやかで中毒性も低いため、少量でも満足できるというメリットがあります。
ヴィーガンチョコレートを選択する人が増えると、家畜の飼育量を減らすことができます。その結果として、このようなメリットがあります。
ヴィーガン食が浸透すると、食肉や乳牛の生産量を減らし、温室効果ガスの要素である二酸化炭素の排出量を抑えられます。
二酸化炭素は家畜から排出されるほか、広大な土地で家畜を育てるための森林伐採により発生します。そのため、ヴィーガンチョコレートを選ぶことで、二酸化炭素の排出量を減らし、環境へのメリットがうまれることとなります。
家畜を育てるためには、大量の水も必要です。それは飲料としてだけでなく、飼料である穀物を育てるためにも必要です。
しかし、ヴィーガンチョコレートのようなヴィーガン食を選択する人が増えれば、水の必要量が減り、これまで懸念されている水不足の緩和につながります。
また、世界には飲み水が得られない環境下に暮らす人も多くいます。
そこで、これまで家畜の飼育や穀物生産に使われていた水が節約できれば、その分の水を得られる人が増え、救える命があるのではないかとも考えられています。
近年、世界的に食物不足が不安視されています。
しかし、チョコレートをはじめヴィーガン食を選択する人が増えれば、よりヴィーガンメニューが充実するだけでなく、食肉や乳牛の必要量が減り、食物不足の緩和につながります。
ここからは、実際にヴィーガンチョコレートを購入できるお店を紹介します。
ヴィーガンチョコレートを食べてみたくなった方は、ぜひ参考にしてください。
長野県にある、ヴィーガンスイーツ販売店「Coco ChouChou」。卵・乳製品・小麦・白砂糖を使わずに美味しいお菓子を作り、販売しています。
7種類の生チョコレートは、すべてヴィーガン。カシューナッツから作る自家製ミルクやメープルシロップを使って作られています。
ドライフルーツやナッツ、バラの花びらがのったチョコレートは、見た目も華やかです。
首都圏にある「ナチュラルハウス」や成田空港、関西国際空港で販売されている「Aelan chocolate」。2020年にはショコラの祭典「サロン・ドュ・ショコラ」にも初出店を果たしました。
数々の受賞歴を持ち、ヴィーガンチョコレート部門でも金賞を受賞。カカオバターも使わず、チョコレート本来の味を堪能できます。
こちらは実店舗はなく、オンラインでの販売です。
マダガスカルチョコレート会社「ロベール社」が、加工から商品化まで全ての工程を行っており、フェアトレードよりさらに先進的な「レイズトレード」によってチョコレートが創られています。
多くの種類のチョコレートが販売される中、2種類のヴィーガンチョコレートが売られています。そのうち「ショコラマダガスカル ヴィーガンカシューミルクチョコレート65%」は、アカデミーオブチョコレート2019で銅賞を獲得しています。
「ヴィーガン」と聞くと、なんとなく身体に良さそう、値段が高そうと感じてしまいがち。しかし、自分の身体は自分がこれまで食べたもので出来ていることから、ヴィーガン食を選ぶことで健康な体を得られるなら、結果的に安いと考えられると思います。
また、チョコレートの新たな選択肢としてヴィーガンチョコレートがあることで、楽しみも増え、日常がより楽しくなりますよね。
身体に良い、環境にも良い、そして美味しいとメリットだらけのヴィーガンチョコレート。まだ食べたことがない方は、ぜひ試してみてください。
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