グルテンフリーが注目される背景とは?ダイエットや美肌効果、実践する際の注意点|circu.(サーキュ)

2022.10.03

グルテンフリーが注目される背景とは?ダイエットや美肌効果、実践する際の注意点

健康志向の高まりとともに、「グルテンフリー」の食事が注目されています。食事療法のひとつである「グルテンフリー」が、なぜ注目されているのでしょうか。この記事では、グルテンフリーが注目される背景について解説します。

ダイエット効果や美肌効果の有無、また注意点についても触れるので、今後グルテンフリー生活を始めようとしている人はぜひ参考にしてください。

グルテンフリーとは

グルテンフリーとは「グルテン」を含まないという意味で、一般的にはグルテンを含む食品を摂取しない食生活を指すことが多いです。

グルテンとは、小麦粉が持つ2種類のたんぱく質「グルテニン」と「グリアジン」が絡みあって変化したもので、小麦粉に水を加えてこねることで出来上がる成分を指します。食品に粘り気や弾力を与える働きがあり、もちもちとした食感を生み出します。

グルテンフリーが注目される背景

元来、グルテンフリーは、食事療法のひとつとして取り入れられていました。グルテンは食の楽しみを増やす一方で、小麦アレルギーを持つ人や、グルテンに対する遺伝的な不耐性であるセリアック病の人にとって、健康を脅かす原因となります。その対策として、グルテンを摂取しない食事療法が始まり、現在に至ります。

近年、アレルギーや病気を持たない人の間でもグルテンフリーが注目されていますが、その背景として、大きく3つの点が考えられます。

有名テニスプレーヤーが著書で紹介した

世界に名を馳せるテニスプレーヤーが、2015年にグルテンフリーについて著書で紹介したことがきっかけとなり、グルテンフリーに対する認知度が高まりました。

著書には、自身にグルテン過敏性があることが判明し、グルテンを断つことで体重が減り身体の調子が良くなったことなどが記述されています。こうした記述によって、グルテンは身体に悪い、グルテンを断つことでダイエットや健康増進に効果があると認識されるようになりました。

ダイエット効果や美肌効果などがあると考えられた

グルテンフリーにはダイエット効果や美肌効果があるとして、若い女性を中心に注目を集めるようになりました。さらに、小麦に対するアレルギーや病気のない人からも、グルテンフリーの食事によって体調が良くなったという声が上がり、メディアで取り上げられる機会が増えました。

しかし内閣府食品安全委員会は、セリアック病以外にグルテンによる健康への影響を示す十分な資料はないとしています。

また、グルテンフリー食によるダイエット効果や美容効果について、「科学的根拠はない」としている論文や、「良い報告は多いものの、まだ科学的に解明されていない」という管理栄養士による意見などが見受けられます。

日本の食糧事情

日本で消費される小麦の8割以上は、海外からの輸入に頼っています。しかし輸入品の場合、輸入量や価格が国際情勢の影響を受けやすく、最近では燃油高や円安などによる影響もあり、海外産小麦粉の価格は高騰しています。

一方、米の消費は年々減っていて、使われていない田んぼが増えている状況です。そこで、小麦粉の代わりに米から作った米粉を用いることで米の消費量を増やし、米農家の支援に繋げようとグルテンフリーが注目されるようになりました。

グルテンフリーを始めるうえでの注意点

実際にグルテンフリーを始める場合、事前に知っておきたい注意点があります。ここでは、グルテンフリーについて注意すべき3つのポイントについて紹介します。

グルテンは誰にとっても悪いわけではない

グルテンは、人間にとって必ず害があるものというわけではありません。人間の身体を作るために必要なたんぱく質でもあり、大切な栄養素です。

そのため、グルテンフリーを行う場合は他の食品でたんぱく質を補充するなど、自身の体調を管理しながら行うようにしましょう。

栄養が偏る可能性がある

グルテンはパンやうどんの他、市販のカレーのルーや、醤油などの調味料にも含まれています。私たちが日常、口にする多くの食品に含まれているため、ストイックにグルテンフリーを続けようとすると、食べられるものが減ってしまうリスクがあります。

その結果、栄養が偏ったり栄養不足になってしまったりする可能性もあるため、自身の食事の栄養管理には十分注意しましょう。

グルテンフリーの食生活=痩せるわけではない

グルテンは体内でポリペプチドというたんぱく質に分解されますが、このポリペプチドには麻薬のような中毒症状を引き起こす性質があることがわかっています。つまり、グルテンを含む食品を「もっと食べたい」と感じやすくなるのです。

ですから、グルテンを摂取しないことで、結果的に食べ過ぎを防ぐ効果が期待できます。グルテンフリーを始めれば「痩せる」わけではなく、あくまで「食べ過ぎを防ぐ」に留まる点は注意したいものです。何を食べる場合でも、食べ過ぎは身体に負担がかかるため、適量を心がけましょう。

グルテンを含む小麦の代用品

グルテンフリーを始める場合、小麦の代用品として使える食品にはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、小麦の代用品の主な例を紹介します。

米粉

お米を細かく砕いて、粉状にしたものです。米粉を使うことで、米の消費量を増やすことにも繋がります。昨今では米粉100%のパンを販売する店舗も増えているため、「米粉」の文字を目にする機会も増えているのではないでしょうか。

また、揚げ物を作るときに米粉を使うと油切れがよくなり、サクッとした食感に仕上がる特長もあります。

そば粉

そば由来であるため、そばアレルギーを持つ人は控えましょう。ちなみに、二八そばの場合はそば粉と合わせて小麦粉を2割使用しています。十割そばの場合は、100%そば粉のみで作られているため、グルテンフリーを行う場合は十割そばを選ぶようにしましょう。

大豆粉

大豆由来であるため、大豆アレルギーの人は控えましょう。生の大豆を粉末状にしたものなので、良質なたんぱく質を摂取できる点がメリットと言えます。また小麦粉と比較して糖質が低いことから、糖質制限をしている人も大豆粉を用いると良いでしょう。

タピオカ粉

ドリンクやデザートに入っているタピオカと同様に、キャッサバイモの根茎から作られたでん粉です。パン作りに使われることがあり、タピオカ粉を使ったパンはもちもちとした食感に仕上がります。

グルテンフリー食品の選び方

多くの食品がグルテンを含む中、グルテンフリーの食品を選ぶ基準のひとつとして、グルテンフリー認証組織(GFCO)の認定マークを持つ食品であるかがポイントとなります。

セリアック病とグルテン不耐性を持つ消費者に対して食品の安全性を保証するために、GFCOの認定マークを得るには以下の基準をクリアする必要があります。

・GFCOのロゴがある全ての最終製品のグルテン含有量は、10 ppm以下であること。
・GFCO認証済み製品中の全原料のグルテン含有量は、10 ppm以下であること。
・GFCO認証済み製品には、大麦ベースの原料が含まれていないこと。
・最終製品と高リスクな原材料・設備は、継続的な試験を受けること。
・GFCO認証済み製品を製造する全ての製造者は、少なくとも年次審査を受け、定期的な調査のためにGFCOに最終製品を提出すること。
・企業はGFCO認証の取得のために、アレルゲン、グルテンフリーの表示、適正製造規範に関する全ての法規制に適合すること。

上記の基準を満たす製品のみに認定マークがついているため、グルテンフリーの食品を選ぶ際は認定マークがついた食品を選ぶと良いでしょう。

身体にあった食事方法を選択して充実した食生活を

グルテンに対するアレルギーや不耐性のない人にとっては、グルテンフリーは食生活における選択肢のひとつと言えます。健康的な食事をするには、グルテンの有無だけにこだわらず、あくまで自分の身体に合った食事方法を選択し、より充実した食生活を送ってください。

またSDGsの観点では、グルテンフリーの実践は米農家の支援に繋がる、海外から小麦を輸送するコストを抑えるなど良い効果が期待出来ます。グルテンフリーをダイエットや健康増進の手段として捉えるだけでなく、日本の食生活を考えるきっかけと捉えると、食事に対する新たな気づきや考え方が生まれるかもしれません。

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