2021.06.05
昨年から続くコロナ禍の中で、環境課題を自分ごとと捉え、社会のあり方を考え始めた人も少なくないのではないでしょうか。より良い未来に向けて注目されているものの一つに「エシカル消費」があります。
今回は、私たちの身近なコーヒーを題材にエシカル消費について紹介します。エシカル消費のことを知って、まずは朝のコーヒーをエシカルコーヒーに変えてみませんか。
エシカル消費とは倫理的(英語でエシカル)消費と訳されることが多いですが、もう少しわかりやすく言うと、私たち消費者それぞれが人、社会、環境に配慮したものを選んだり、そうした取り組みを行う事業者の商品を選んだりする消費活動のことです。
具体的には、リサイクル素材を使用した製品や寄付付き商品を選ぶことやマイバッグを使用すること、必要なものを必要なときに必要な分だけ購入することもエシカル消費です。
2015年9月の国連総会で決められたSDGs(持続可能な開発目標)の12番目の目標である「つくる責任 つかう責任」として持続可能な消費と生産のパターンを確保することにも大きく関わっています。
突然ですが、皆さんはエシカルコーヒーをご存じでしょうか?
エシカルコーヒーとは倫理的に正しく取引されたコーヒーのことです。コーヒー豆は一般的に途上国で生産されることが多く、安価で取引され、従業員を低賃金で雇っていたり、重労働や農薬・化学肥料による身体的負荷が大きかったりと多くの問題があります。
また、お金や健康への問題だけではなく、森林伐採やそれによる生態系の破壊等、環境への問題も起こっています。
こうした問題を解決するべく倫理的に問題のない方法・場所で生産され、適正な価格で調達されたコーヒーがエシカルコーヒーなのです。
エシカルコーヒーを選ぶときのポイントは、コーヒーの売り手でもなく、生産者でもない第三者機関により、一定の査定方法に則って評価し合格認証された「認証コーヒー」であるかどうかということです。
フェアトレードは、貿易のしくみをより公平・公正にすることにより、特に開発途上国の小規模生産者や 労働者が、自らの力で貧困から脱却し、地域社会や環境を守りながら、サステナブルな世界の実現を目指す取組みです。この認証ラベルがついたコーヒーは社会的、環境的、経済的基準について定めた国際フェアトレード基準を満たしています。
渡り鳥が休息する森で生まれたコーヒーを「バードフレンドリー®コーヒー」と呼びます。熱帯の森林を利用したシェードグロウン(木陰栽培)かつ有機栽培で生産されたコーヒーをプレミアム価格で買い取ることで、生産農家を支えなが ら森林伐採も防止し、そこで休む渡り鳥を守るプログラムです。
コーヒーから生まれた収益は、このプログラムを創設したスミソニアン渡り鳥センターの研究調査資金として、世界中の渡り鳥保護・生態系保護のために利用されています。
持続可能性の3つの柱である社会・経済・環境の強化につながる手法を用いて生産されたものです。認証を取得した生産者は、3つの柱の要件を詳細に定めた厳格な基準に従って、毎年監査を受けています。これらの基準は、生物多様性を保護し、生産者に経済的恩恵をもたらし、また労働者と地域社会を尊重する文化を育むように考案されています。
カエルは、科学者から生物指標と呼ばれており、カエルの健全な生息個体数は健全な環境であることを表します。レインフォレスト・アライアンスは、30年前にアカメアマガエルをマスコットに選びました。以来、このカエルのマークは、国際的に持続可能性の象徴になっています。
このように環境やそこで働く人たちのことに配慮されていると安心して購入できますね。これらの認証マークをコーヒーを選ぶ基準に加えてみてはいかがでしょうか。
エシカルコーヒーは、ごく少ない限られたショップでしか買えないのでは。とお思いの方に朗報です。既にあなたも日常的にエシカルコーヒーを購入されているかもしれません。
エシカルコーヒーはコンビニやチェーン店のコーヒーショップなど、私たちの身近にあるショップで購入することができるのです。
今回は特に身近で店舗数も多い有名なカフェとショップ3店をご紹介していきたいと思います。
言わずと知れた世界規模で展開している大人気カフェ。「コーヒーに関わるすべての人々の生活を豊かでサスティナブルなものにするために」という想いのもと、10年以上エシカルな調達に取り組み、コーヒー豆の倫理的な調達99%を達成しています。
2004年には長期的に高品質なコーヒー豆の生産を実現するための持続可能な調達モデル「C.A.F.E.プラクティス」を導入し、エシカルな調達100%を目指しています。
これまでスターバックスでコーヒーを購入していた方は知らないうちにエシカルコーヒーを選んでいたことになりますね。しかし、エシカルコーヒーと知ってから飲むスターバックスのコーヒーはこれまで以上に美味しく感じるのではないでしょうか。
こちらも大人気なこだわりのコーヒーと輸入食品を取り扱っているショップです。国際フェアトレード認証コーヒーやバードフレンドリー®コーヒーも多く取り扱っています。
全国各地に400店舗以上あり、台湾など海外展開もしています。また、オンラインショップでも購入可能なので、おうちにいることが多くなった生活スタイルにぴったりなショップです。気になった方は下記のオンラインストアをチェックしてみてください。
ローソンの淹れたての美味しいコーヒー、マチカフェではレインフォレスト・アライアンス認証農園産のコーヒー豆を使用しています。また、ミルクや焙煎方法、抽出機械など、品質管理と社会・環境への配慮を徹底されています。コーヒーカップをよく見ていただくと先ほどご紹介させていただいたカエルのマークがついています。私たちにとって身近にあるコンビニで美味しいエシカルコーヒーが飲めるなんて嬉しいですよね。
私たちの生活に幸せと安らぎをもたらしてくれるコーヒー。しかし、そのコーヒーが誰かの生活を犠牲にして生産されたものであったとしたら、幸せは半減してしまいますよね。美味しい、安いの他にエシカルという選択肢をプラスしていただけたら今よりちょっと良い世界になるのではないでしょうか。
これからも美味しいコーヒーを飲めるように、生産者の方も環境も幸せで豊かな日々を送れるようにみなさんも持続可能な生産と調達をされたエシカルコーヒーを選んでみませんか。
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