デザイン思考とは?成功事例から学ぶ今から実践できる5つのステップ【具体例付き】 | 株式会社toritoke

2023.04.03

デザイン思考とは?成功事例から学ぶ今から実践できる5つのステップ【具体例付き】

今から始めるデザイン思考

デザイン思考とは何か?

デザイン思考は、デザインの考え方をビジネスや社会課題の解決に応用する方法論(フレームワーク)のひとつです。英語では、Design Thinking(デザインシンキング)と呼ばれています。

一般的な表面的なデザイン違いやアート思考とは異なるので注意ください。表面的なデザインとは、見た目や形状による違いを指し、アート思考は芸術的感覚や感性に基づくものです。一方、デザイン思考は、ユーザーの問題解決に焦点を当て、人間中心設計に基づいた手法を用いて、問題の再定義やアイデアの発想を行い、より創造的な解決策を導き出します。

また、デザイン思考はユーザー視点の問題解決を重視する点でマーケティングの考え方にも似ていますが、より創造的な解決策を生み出すために、ユーザーの潜在的なニーズや要求を明らかにすることが異なる点です。

デザイン思考の特徴

デザイン思考には、以下の3つの特徴があります。

1.ユーザー視点に立った問題解決

デザイン思考では、ユーザーの「共感」、「満足」を最優先に考え、問題解決のために必要なアイデアを発想します。ユーザーの視点から問題を再定義し、ニーズや要求を明らかにすることで、より実用的な解決策を生み出すことができます。

2.問題解決のためのプロセス

デザイン思考では、問題の定義付けと解決意図を明確にした上で、アイデアの創出と組み合わせの試行錯誤を繰り返しブラッシュアップしていきます。このプロセスを通じて、より創造的な解決策を導き出すことができます。

3.新しい視点でのアプローチ

デザイン思考では、バイアスや固定観念を取り去り、前例にとらわれない新しいアイデアを生み出すことが可能です。ユーザーの視点や体験に基づき、未来の可能性を考えることで、より革新的なアイデアを生み出すことができます。

以上の特徴から、デザイン思考は、従来の問題解決手法とは異なり、ユーザーの視点やニーズを重視し、創造的なアプローチで問題解決を行うことができる手法であると言えます。

デザイン思考の起源

デザイン思考の起源は、1970年代の産業革命の頃から始まったとされ、初めて「デザイン思考」という言葉が用いられたのは1987年に出版された『デザインの思考過程』(著:ハーバード大学教授ピーター・ロウ)でした。この本において、デザインは単なる製図や美術的表現に留まらず、問題解決のための方法論として位置付けられました。

その後、ビジネスとして応用させたのが、デザインコンサルティングファーム「IDEO(アイディオ)」の創立者であるデビッド・ケリーです。デビッドは、製品やサービス、ビジネス戦略など、あらゆる問題に対してデザインの思考を適用することができると考え、デザイン思考を提唱しました。

日本では、2008年から2010年代にかけて、ビジネス書やセミナーなどを通じて注目を集め、現在では多くの企業や教育機関で採用されています。デザイン思考は、創造的で革新的な解決策を導き出すためのプロセスとして、今後ますます注目されることが予想されています。

デザイン思考を用いた成功事例

では、実際にデザイン思考を用いて成功した企業の事例をいくつか紹介します。

Apple社の事例

Apple社のiPhoneは、デザイン思考がイノベーションを引き起こした典型例の一つです。当初、iPhoneのニーズは存在しなかったものの、アップルはユーザーを観察し、共感して心に隠れた潜在的ニーズを見つけ出し、アイデア創出を行いました。

その結果、画面をタッチするだけで簡単に検索や通話ができる画期的な製品が生まれ、世界中で大ヒットすることになりました。iPhoneの成功は、デザイン思考を取り入れることがイノベーションを生み出すための重要な手法であることを示しています。

Airbnb社の事例

Airbnb社は、宿泊施設を提供するプラットフォームとして有名です。デザイン思考を取り入れたAirbnb社は、宿泊施設を提供するだけでなく、旅行に関するユーザーの様々なニーズにも対応するため、Airbnb Experiencesというサービスを立ち上げました。このサービスでは、ローカルのガイドがユーザーを案内するツアーや、地元の人々と交流するイベントなど、より充実した旅行を提供しています。

富士通の事例

富士通は顧客視点でのサービス提供の重要性に着目し、デザイン思考を組織文化として取り入れました。具体的には、従来の技術中心の製品開発から、ユーザー中心のサービス提供に転換することを目指して、デザイン思考を活用してビジネスプロセスの改善を進めました。

取り組みの一例として、富士通は、社員全員を対象にデザイン思考の研修を実施し、デザイン思考の考え方を広めました。また、顧客とのコミュニケーションにも力を入れ、顧客との共創を通じて新しいビジネスモデルの創出を目指しました。

結果として、富士通はデザイン思考に基づいた製品やサービスを開発し、ユーザーの満足度の向上や新規事業の創出に繋がりました。

下記のPDFは、デザイン思考に関する知識やノウハウが体系的にまとめられている、非常に有益なガイドブックです。是非、一度チェックしてみください。

P&Gの事例

P&Gはイノベーションを重要視しており、顧客中心主義を掲げた経営刷新により急成長しました。同社はデザイン思考を三つの段階に分けて管理しており、アイデアの淘汰や消費者行動の観察を通じてイノベーションを生み出しています。

P&Gが取り組んだ事例として、電動歯ブラシの専用充電器の使いにくさやブラシ交換を忘れてしまう点に注目し、充電のしやすさやブラシの交換アラート機能などを組み込むことでユーザーの信頼を獲得し、不動のブランドを築いたことが挙げられます。

デザイン思考を実践する5つのステップ

デザイン思考を実践するためには、以下の5つのステップを踏む必要があります。

  • ①共感:ユーザーの視点を理解する
    ユーザーが直面する問題やニーズを深く理解し、共感する。
  • ②定義:問題を明確にする
    感した問題を整理し、具体的な問題定義を行う。課題をいかに明確にするかが重要。
  • ③アイデア創出:多角的な視点からアプローチする
    定義した問題に対して、多様なアイデアを創出する。ユーザーの視点だけでなく、他の業界や分野からの視点も取り入れることが重要。
  • ④プロトタイプ作成:アイデアを形にする
    アイデアを実現するためのプロトタイプを作成する。アイデアを具体的な形にすることで、問題点や改善点を見つける。
  • ⑤テスト:ユーザーの反応を確認する
    作成したプロトタイプをユーザーにテストしてもらい、改善点を見つける。このステップを繰り返し、最終的な製品やサービスを完成させる。

私にとって、デザイン思考の5つのステップの中で最も重要なのは、①共感と②定義です。これらのステップを通してユーザーの隠れたインサイトを探し出し、明確にすることが、アイデア創出やプロトタイプ作成、テストを実施する上で、ユーザーに本当に必要な製品やサービスを提供するための条件となると考えています。

デザイン思考5つのステップの例

デザイン思考の5つのステップを具体例で考えてみましょう。ここでは、健康志向の人を対象にした地方のホテルの新しいサービスの創出を目的に、デザイン思考の一例を考えてみます。

①共感:ユーザーの視点を理解する

共感において実施する内容は、主に以下の4つです。

  • 1.デスクリサーチ:インターネットや書籍、市場調査報告書などを利用して、市場や競合環境、トレンドなどの情報収集を行う。
  • 2.フィールドワーク:直接ユーザーや顧客にアプローチして、アンケート調査やインタビューを行う。また、顧客やユーザーの行動観察やフィードバックを収集する。
  • 3.データ分析:収集したデータを分析し、傾向やパターンを見つける。分析のために、統計ソフトや分析ツールを利用することも重要。
  • 4.インサイトの抽出:収集した情報や分析結果から、共感する問題やニーズ、顧客の心理的な要因を抽出する。顧客やユーザーの背景や価値観、行動原理などを考慮し、より深く理解する。

それでは、健康志向の人を対象にした地方のホテルの新しいサービスの創出を目的とした 場合の一例をあげてみます。

1.デスクリサーチ

デスクリサーチでは、「市場」「競合調査」「トレンド」の観点からリサーチします。

市場
・健康志向の人が増加傾向にあり、健康食品やフィットネスジムなどの需要が高まっている。
・旅行産業も成長しており、特にアウトドアや健康旅行の需要が増えている。近年ではキャンプやサウナが人気を高めている。

競合環境
・ホテル周辺地域には健康志向の人をターゲットにした宿泊施設やリゾートホテルが多く存在している。
・競合施設はフィットネスジムや温泉、スパなどの設備を備え、健康面に特化したサービスを提供している。

トレンド
・健康志向の人が注目するトレンドとして、オーガニックや自然食、ベジタリアン、ヴィーガンなどが挙げられる。
・健康旅行においては、ウェルネス施設やヨガ、マインドフルネス、森林浴などが人気となっている。

上記のことから、健康志向の人が増加傾向にあり、アウトドアや健康旅行の需要が増えていることが分かりました。競合環境では、健康面に特化した施設が多く存在しており、フィットネスジムや温泉、スパなどが提供されています。また、オーガニックや自然食、ベジタリアン、ヴィーガンなどが健康志向の人が注目するトレンドとして挙げられます。

2.フィールドワーク

フィールドワークでは、直接健康志向の人を対象にアプローチして、主に以下のような調査を行います。

  • アンケート調査
  • インタビュー
  • 行動観察

具体的な内容を紹介します。

アンケート調査
アンケート調査の手法として、紙媒体のアンケート用紙やオンラインのアンケートツールなどがあります。今回は、健康志向の人を対象とするため、オンラインのアンケートツールを使用し、アンケートの回答期間を1週間程度とします。

アンケート対象者は、健康志向の人をターゲットにするため、健康に関心が高い人やフィットネスクラブやヨガスタジオなどの施設に通っている人、オーガニック食品を好む人などを対象にしました。アンケートの回答者数は100人程度を目安に、年代や性別、居住地域などによって偏りがないように、適切に分散させます。

回答は答えやすいように4択を基本にしました。

■アンケートの質問例
1.健康への関心
Q.健康に対する関心度は高いですか?
Q.健康に関する情報を積極的に収集していますか?
Q.健康に関する書籍や雑誌を読んだり、ウェブサイトを閲覧したりすることがありますか?

2.健康に関する取り組み
Q.健康に関して自己管理をしていますか?
Q.健康に関して、特定の食事制限をしていますか?
Q.健康に関して、運動をしていますか?
Q.健康に関して、睡眠時間や睡眠の質に気を配っていますか?

3.旅行における健康への意識
Q.旅行先で健康的な食事を心がけますか?
Q.旅行先で運動をするために施設を利用することがありますか?
Q.旅行先でリラックスすることを重視しますか?

4.健康に関する要望
Q.健康を意識した宿泊施設に宿泊することがありますか?
Q.健康に関する施設やサービスに興味がありますか?
Q.健康に関するアクティビティや体験プログラムに参加することがありますか?

5.健康に関する情報収集
Q.健康に関する情報を得るために、どのような方法を利用しますか?
Q.健康に関する情報を得るために、どのような媒体を利用しますか?
Q.健康に関する情報を得るために、どのような検索キーワードを利用しますか?

ーーーーーーー アンケート調査回答例 ーーーーーーー

■健康への関心

Q.健康に対する関心度は高いですか?
非常に高い:20%
高い:55%
あまり高くない:20%
低い:5%

Q.健康に関する情報を積極的に収集していますか?
はい:80%
ある程度:15%
あまりしていない:5%
全くしていない:0%

Q.健康に関する書籍や雑誌を読んだり、ウェブサイトを閲覧したりすることがありますか?
よくある:40%
時々ある:30%
あまりない:20%
全くない:10%

■健康に関する取り組み

Q.健康に関して自己管理をしていますか?
はい:60%
ある程度:30%
あまりしていない:5%
全くしていない:5%

Q.健康に関して、特定の食事制限をしていますか?
はい:30%
ある程度:25%
あまりしていない:35%
全くしていない:10%

Q.健康に関して、運動をしていますか?
はい:65%
ある程度:20%
あまりしていない:10%
全くしていない:5%

Q.健康に関して、睡眠時間や睡眠の質に気を配っていますか?
はい:50%
ある程度:25%
あまりしていない:20%
全くしていない:5%

■旅行における健康への意識

Q.旅行先で健康的な食事を心がけますか?
はい:70%
ある程度:15%
あまりしていない:10%
全くしていない:5%

Q.旅行先で運動をするために施設を利用することがありますか?
はい:40%
ある程度:25%
あまりしていない:20%
全くしていない:15%

Q.旅行先でリラックスすることを重視しますか?
非常に重視する:15%
ある程度重視する:40%
あまり重視しない:35%
全く重視しない:10%

■健康に関する要望

Q.健康を意識した宿泊施設に宿泊することがありますか?
はい、よく宿泊する:10%
はい、たまに宿泊する:35%
あまり宿泊しない:40%
全く宿泊しない:15%

Q.健康に関する施設やサービスに興味がありますか?
非常に興味がある:20%
ある程度興味がある:50%
あまり興味がない:25%
全く興味がない:5%

Q.健康に関するアクティビティや体験プログラムに参加することがありますか?
よく参加する:5%
たまに参加する:40%
あまり参加しない:40%
全く参加しない:15%

■健康に関する情報収集

Q.健康に関する情報を得るために、どのような方法を利用しますか?
ウェブサイト:65%
SNS:10%
書籍や雑誌:15%
その他:10%

Q.健康に関する情報を得るために、どのような媒体を利用しますか?
テレビ:20%
ラジオ:5%
新聞:10%
ウェブサイト:50%
SNS:10%
書籍や雑誌:5%

Q.健康に関する情報を得るために、どのような検索キーワードを利用しますか?
健康:40%
ダイエット:20%
フィットネス:10%
ストレス:5%
睡眠:5%
栄養:10%
その他:10%

Q.旅行において不便に感じることや悩みはありますか?(自由記入)
・ホテルでの食事は決められたメニューが多く、健康的な食事が提供されていないレストランが多い
・旅行先での外食は、健康的な食事の選択肢が少ない
・旅行先での運動環境が悪く、外で運動することができない場合がある
・運動施設がある場合でも、利用時間が限られていることがある
・フィットネスジムやプールがあるホテルは割高で利用しづらい
・健康的なアクティビティや体験プログラムが高額であるため、利用できない場合がある
・ホテルの部屋が狭く、リラックスできない

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

アンケート調査から健康志向の人たちは、食事や運動、睡眠に関する自己管理を積極的に行っており、健康的な旅行にも興味を示しています。旅行先では健康的な食事や運動施設の利用、リラックスすることを重視しており、健康に配慮した宿泊施設やアクティビティにも興味を持っているようです。

以上の結果から、健康志向の人たちは自己管理を積極的に行い、旅行先でも健康を意識した行動を取ることが多い傾向があることが示唆されます。

一方で旅行において、健康志向の人たちが直面する可能性がある課題については、健康的な食事の選択肢が限られることや、運動施設や環境が不十分、費用面の問題などが挙げられます。これらの課題を解決するため、ホテル側は健康的な食材の提供やフィットネスプログラムの提供、周辺環境の情報提供などの対策が考えられるでしょう。

インタビュー
インタビューの対象者は、アンケート結果を基に健康志向の人に絞り、約10〜20人程度を対象にインタビューを行うのが一般的です。インタビューの回答内容は詳細かつ具体的なものが得られるため、アンケートでは得られなかった深い洞察を得ることができます。

しかし、インタビューはアンケートよりも時間とコストがかかるため、対象者の数をあまり多くしすぎないように注意しましょう。

以下に、インタビューの質問例をいくつか挙げます。

■健康に関する意識や取り組みについて
Q.健康に関心を持つようになったきっかけは何ですか?
Q.普段の食生活について、どのようなこだわりがありますか?
Q.日々の運動について、どの程度意識していますか?
Q.睡眠について、どのようなこだわりがありますか?
Q.今後、健康に対して取り組んでいきたいことはありますか?
Q.健康への取り組みについてのモチベーションは何ですか?

■旅行における健康について
Q.旅行先での食事について、どのようなこだわりがありますか?
Q.旅行先での運動について、どのような取り組みをしていますか?
Q.旅行先でのリラックス方法について、どのようなこだわりがありますか?
Q.健康的な旅行に対して、宿泊施設やツアーなどに何か要望はありますか?

■旅行における悩み
Q.旅行中、健康的な食事を選択することが難しいと感じることはありますか?
Q.旅行先での運動環境が不十分な場合、どのような方法で運動を補っていますか?
Q.健康を重視したホテルの宿泊費やサービスは一般的に高くなります。費用を抑えるために何か工夫をされていますか?

■宿泊施設に対する意見やアドバイス
Q.宿泊施設で最も重視する点は何ですか?
Q.宿泊施設で嬉しかったサービスや設備は何ですか?
Q.宿泊施設で不満だった点や改善してほしいと思った点は何ですか?
Q.宿泊施設を選ぶ際に、どのような情報を参考にしますか?
Q.理想の宿泊施設について、どのような特徴があると思いますか?

上記のような質問を通じて、健康志向の人たちがどのような取り組みをしているのか、どのような要望や意見を持っているのかを探ります。注意すべきことは、質問によっては回答者にとって不快に感じるものもあるため、配慮が必要です。

ーーーーーーーインタビュー回答例 ーーーーーーー

■健康に関する意識や取り組みについて

Q.健康に関心を持つようになったきっかけは何ですか?
病気や怪我をきっかけに、健康に対する意識が高まった
ダイエットに失敗し、健康的な食事や運動に興味を持った
アレルギーなどの体質的な問題があったため、健康に関心を持つようになった

Q.普段の食生活について、どのようなこだわりがありますか?
野菜や果物を中心としたバランスの良い食生活にこだわっている
オーガニックや無添加食品にこだわっている
グルテンフリーにこだわっている

Q.日々の運動について、どの程度意識していますか?
毎日の運動を心がけており、ジムやスポーツクラブに通っている
ウォーキングやストレッチなど、軽い運動を日常的に取り入れている
自宅でできるストレッチや筋トレを取り入れている

■旅行における健康について

Q.旅行先での食事について、どのようなこだわりがありますか?
・現地の旬の食材を使った料理や、地産地消にこだわった料理を選ぶ
・健康的な食事が提供される宿泊施設やレストランを予約する
・アレルギーや食物制限がある場合は、事前に情報を収集して対応する

Q.旅行先での運動について、どのような取り組みをしていますか?
・現地の風景を楽しみながら、ウォーキングやランニングをする
・現地のアクティビティやスポーツを楽しむ
・ホテルにフィットネスジムやプールがある場合は、利用する

Q.旅行先でのリラックス方法について、どのようなこだわりがありますか?
・温泉やスパなどのリラックス施設を利用する
・読書や音楽鑑賞など、自分がリラックスする方法を取り入れる
・現地の文化や歴史を学ぶことで、心に余裕を持たせる

Q.健康的な旅行に対して、宿泊施設やツアーなどに何か要望はありますか?
・健康的な食事の提供や、運動施設の充実したホテルや宿泊施設を選びたい
・現地の文化や自然を体験しながら、運動やリラックスを楽しめるツアーを希望する
・ツアーガイドなどに健康に関する情報を提供してほしい

■旅行における悩み

Q.旅行中、健康的な食事を選択することが難しいと感じることはありますか?その時の対処法は何ですか?
・旅行先で現地の特産品や文化的な料理を楽しむことが好きで、健康的な食事を選択することが難しいと感じることがある。その場合は、食べる量を調整したり、食事の前に軽い運動をすることでカロリーを消費するようにしている。
・食事にこだわりがあるため、事前に調べたレストランやカフェなどで予約しておくことで、健康的な食事を選択することができるようにしている。
・健康的な食材を持参することもある。例えば、シリアルパーやナッツ類などは手軽に持ち運ぶことができ、食事を補うことができる。

Q.旅行先での運動環境が不十分な場合、どのような方法で運動を補っていますか?
・フィットネスアプリを活用して、ホテルの部屋でできるワークアウトプログラムを行っている。
・マッサージや温泉など、身体をリラックスさせる施設を利用しながら、ゆっくりと体を動かすようする。
・旅行先での運動不足を予め想定して、帰宅後にジムやヨガスタジオなどでのトレーニングを計画的に行っている。

Q.健康を重視したホテルの宿泊費やサービスは一般的に高くなります。費用を抑えるために何か工夫をされていますか?
・宿泊費やサービスにこだわらない代わりに、旅行先での食事や運動に予算を割くことで、健康を重視しつつ費用を抑えている。
・旅行先での滞在期間を短くすることで、宿泊費やサービスの負担を軽減している。
・健康を重視したホテルの宿泊費やサービスを予約する際、事前にクーポンや割引情報を調べて、割引価格で予約する工夫をしている。

■宿泊施設に対する意見やアドバイス
Q.宿泊施設で最も重視する点は何ですか?
・清潔で快適な環境であること
・健康的な食事やドリンクが提供されていること
・運動施設やスパがあること

Q.宿泊施設で嬉しかったサービスや設備は何ですか?
・オーガニックや無添加の食材を使った朝食が提供されていたこと
・フィットネスセンターやヨガスタジオなどの運動施設が充実していたこと
・自然に囲まれた環境で、リラックスできるスパや温泉があったこと

Q.宿泊施設で不満だった点や改善してほしいと思った点は何ですか?
・健康的な食事の提供が不十分であったこと
・運動施設の営業時間が短く、利用しにくかったこと
・清掃が行き届いていない部分があったこと

Q.宿泊施設を選ぶ際に、どのような情報を参考にしますか?
・公式サイトや口コミサイトなどのインターネット情報
・健康やフィットネスに関する特集や記事を掲載している雑誌やウェブサイト
・健康志向の友人や家族からの紹介やアドバイス

Q.理想の宿泊施設について、どのような特徴があると思いますか?
・オーガニックや無添加食材を使用した健康的な食事が提供されていること
・フィットネスセンターやヨガスタジオなどの運動施設が充実していること
・自然に囲まれた環境でリラックスできるスパや温泉があること

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

インタビューの回答から、宿泊施設に対する重視点として、清潔で快適な環境や健康的な食事・ドリンクの提供、運動施設やスパがあることが挙げられました。また、宿泊施設で嬉しかったサービスや設備には、オーガニックや無添加食材を使った食事、フィットネスセンターやヨガスタジオ、自然に囲まれたスパや温泉などがありました。

また一部の人においては、グルテンやアレルギー品目に悩みもありそれらに配慮したメニューを用意することも検討するのも良いでしょう。

行動観察
行動観察では、対象となる人物や環境を注意深く観察し、その行動や言動、身体的な反応などを記録することが重要です。例えば、ホテルのお客様からの質問や食事をされる際の表情などをチェックしましょう。
例えば以下のような点にも注意し、共通点がないか検討していきます。

・人物の動きや仕草、表情、言葉遣い、声のトーンやテンポなど、全体的なコミュニケーションの特徴を観察する。
・環境の温度や湿度、音量や照明、空気の匂いなど、人物の行動に影響を与える要素を観察する。
・人物の状況や背景、周囲の人物や状況など、行動や反応の理由を推測する。
・時間帯や曜日、季節、イベントなど、状況によって人物の行動が変わる可能性があることを考慮する。
・自分自身の偏見や先入観に影響されず、客観的に観察する

行動観察は、観察対象に関する深い洞察を得ることができるため、マーケティングや心理学、教育学などの分野で広く活用されています。

健康志向の人から食事についてよく受ける質問例
・食事に使用されるオイルや調味料について、使用されているものは何か、また健康に配慮したものを使っているかどうか
・食材について、オーガニックや非遺伝子組み換え、地元産などの詳しい情報
・料理のカロリーや栄養素の情報について
・アレルギー品目の対応について、どのような対応をしているか
・グルテンフリーのパンにはどのような種類があるか
・ヴィーガンやベジタリアン向けのメニューについて、どのような提供があるか

健康志向のお客を対象とした行動観察では、食事に関する質問が多数見られました。例えば、オイルや調味料、食材の情報、カロリーや栄養素の情報、アレルギー品目やグルテンフリーのメニューの提供についてなど、健康志向のお客が食事に対してどのような配慮を求めているかを把握することができます。

また、スタッフの態度や接客の質、施設の清潔さや環境の静かさ、健康に関する情報の提供など、宿泊施設のさまざまな側面についても観察し、お客がより快適に過ごせるような改善点や提供できるサービスを検討することができます。

3.データ分析

データ分析は、アンケートやインタビュー、行動観察で収集したデータを統計的手法やデータマイニングを用いて解析することで、健康志向の人たちの行動や嗜好、傾向を把握します。

データは定量・定性の両軸で分析します。定量的な分析には主に統計解析や機械学習アルゴリズムを用い、定性的な分析には主にテキストマイニングや質的分析手法を用います。

定量的な分析:傾向分析、クラスター分析、因子分析、回帰分析などの手法を用いて、数値化されたデータから傾向や関係性を把握し、パターンや特徴を見つけ出す

定性的な分析:テキストデータから主題の同定、カテゴリーの抽出、内容分析などの手法を用いて、主観的な情報を数値化し、傾向や特徴を把握する

今回のアンケート、インタビュー、行動観察にて得られた情報をもとに実施した場合、以下のようなアウトプットイメージになります。

定量的な分析
■回答者の年齢や性別に基づいた傾向分析
・年齢別の傾向:年齢が上がるほど健康に関心が高く、情報収集にも積極的であることがわかった。
・性別別の傾向:女性の方が男性よりも健康に関心が高く、情報収集にも積極的であることがわかった。

■特定のサービスや設備を利用する人とそうでない人の比較
・健康に関して自己管理をしている人は、健康に関心がない人よりも運動をする割合が高いことがわかった。
・旅行先で健康的な食事を心がける人は、旅行先で運動をする割合が高く、リラックスすることを重視する人よりも健康に関心が高いことがわかった。

■優先度の高い改善点を洗い出し
・アンケート回答により、食事に対する関心度が高いことがわかったため、宿泊施設側は食事の品質向上に取り組むことが求められる。
・また、年齢や性別によって健康に対する関心が異なることがわかったため、ターゲットとなる顧客に合わせた施策を考えることが求められる。例えば、年齢層が高い場合には健康に関するイベントやプログラムを提供するなどの対応が考えられる。

定性的な分析
■健康に対する意識の高さ
回答者の多くが、健康に対する意識が高いと答えており、食生活や運動習慣、リラックス方法などにもこだわりを持っていることがわかります。

キーワード:健康、意識、食生活、運動、ダイエット、アレルギー、ジム、スポーツクラブ、ウォーキング、ストレッチ、筋トレ

■現地の食材や文化に興味を持つ
旅行先での食事に対するこだわりがあり、現地の旬の食材や地産地消にこだわった料理を選ぶことが多く、旅行先での文化や自然を体験しながら、運動やリラックスを楽しめるツアーを希望するなど、現地の文化や風習に興味を持っている傾向が見られます。

キーワード:野菜、果物、バランス、オーガニック、無添加、グルテンフリー

■健康に関する情報収集
回答者の多くが、健康に関する情報収集を行っていることがわかります。特に、旅行先での健康管理に関しては、現地の情報を収集して対応することが多いようです。

キーワード:食事、地産地消、アレルギー、運動、アクティビティ、リラックス、文化、自然、ホテル、ツアー、ガイド

■宿泊施設の清潔さと健康的な食事が重要視される
回答者の多くが、宿泊施設での清潔さや健康的な食事の提供を重要視しており、特にオーガニックや無添加食材を使用した健康的な食事や、フィットネスセンターやヨガスタジオなどの運動施設が充実している宿泊施設を希望する傾向が見られます。

キーワード:清潔、環境、健康的な食事、ドリンク、運動施設、スパ、温泉、不満、改善、情報、特徴

■費用を抑えたいというニーズ
健康を重視する宿泊施設の宿泊費やサービスは一般的に高くなるため、費用を抑えたいというニーズがあることがわかります。回答者の中には、宿泊費やサービスにこだわらず、旅行先での食事や運動に予算を割くことで、健康を重視しつつ費用を抑えている人もいました。

キーワード:健康重視、クーポン、割引

これらの情報をもとに、改善点や優先度の高い施策を洗い出し、より満足度の高いサービス提供を検討しましょう。

4.インサイトの抽出

インサイトとは、本人が気づいていない隠れた欲求のことを指します。「○○に悩んでいる」「○○がしたい」というわかりやすいニーズに対して、インサイトはその背後にある深層心理的な欲求を表しています。

例えば、ダイエットをしている人が「低カロリーの食事が飽きた」と嘆くとき、単に食事に飽きたというだけでなく、食事を楽しみながらダイエットを続けたいという深層心理があるかもしれません。このように、インサイトを把握することで、顧客が本当に求めているものを見極め、より的確なサービスや製品を提供することができます。

具体的には以下のように質問を繰り返し、深掘りすることでインサイトを抽出していきます。

健康志向の顧客は、旅行先でも健康的な食事や運動に気を配りたいと考えている。

心理:
・自分自身や家族の健康維持のために、日常生活において健康に気を遣っている
・自己管理に対する意識が高く、旅行先でも自分の体調管理をしっかりと行いたい

宿泊施設で最も重視する点は清潔で快適な環境であり、食事や運動施設が提供されることも重視する

心理:衛生面や環境面に敏感である

費用を抑えたい

心理:費用は抑えたい一方で、健康に関するサービスや設備には一定の投資をしても良いと考えている

現地文化や自然を体験しながら健康的な旅を楽しめるツアーに対するニーズがある

心理:旅行先でも健康的な選択をすることは自己実現に繋がる

ここからはあくまでも仮説ですが、私は健康志向の人が旅行においても健康的な食事、サービスを求めることのインサイトは、普段あまりできてない健康活動を旅行中だけでもきちんとやりたいという願望が隠れているのではないかと考えました。

旅行はリフレッシュやリラックスの場である一方で、新たな健康的な環境や食事、アクティビティを楽しむことで自己満足感や達成感を得たいという欲求があるかもしれません。また、旅行における健康意識の高まりは、普段の生活とは異なる環境で健康的な選択をし、身体や心をリセットすることを求めるという一面もありそうです。

実際に私も健康は意識しているものの、普段から完璧にできているかと言われるとそうではなく、仕事で1日の時間を使いきり運動や食事が疎かになったりします。恐らく毎日完璧に健康的に過ごせる人は、よほど意識が高いか時間に余裕のある人に限られるのではないでしょうか。多くの人は、現実的な折り合いを見つけて妥協しているところがあるでしょう。

たまにアイスクリームやジャンクフードを食べたくなる衝動にかられるのは、私だけでないと思いたいです。笑

その反動から、旅行においては普段できない健康活動を思いっきりやりたいという欲求が高まるのではないかと考えました。

このようにインサイトとは、人が自覚していない深層心理的な欲求や動機を指す概念であり、顧客や生活者の行動や選択を理解する上で非常に重要な要素です。普段の言動や行動には見えない要因が存在しており、それを洞察することで、より深く顧客や生活者の心を理解し、そのニーズに応えるサービスや商品を提供することができます。

②定義:問題を明確にする

問題解決のプロセスにおいて、まずは何が問題であるかを明確にすることが重要です。このステップでは、問題の定義や範囲を明確にし、問題解決の目標やアプローチを明確にすることが目的となります。

問題が不明確なまま解決を試みても、解決策が見つからない可能性が高いため、問題を明確にすることは非常に重要です。具体的な手法としては、「5W1H」や「魚の骨図法」などがあります。

それでは、健康志向の人が旅行において抱える問題をこれまでの内容を踏まえて整理していきましょう。

健康志向の人が旅行において抱える問題

健康に対する意識が高い人たちは、健康的な生活を送るために様々な取り組みを行っていますが、忙しい日常やストレスなどの理由で、自分自身の理想とする健康生活を常に実現できないと感じることがある。

そこで、旅行などの場で健康的な環境や食事、アクティビティを楽しむことで自己満足感や達成感を得たいという欲求があると考えられます。しかし、そのような場での健康的な選択肢が限られていることが課題となっている。

問題を5W1Hで整理する

  • Who(誰が):健康志向の人
  • What(何が):普段は健康生活を実践できていない、またはできていると感じられない
  • Where(どこで):日常生活の中
  • When(いつ):仕事や日常生活で時間がなくなり、運動や食事が疎かになることがある
  • Why(なぜ):忙しい生活やストレス、食品添加物や環境汚染などが健康に与える影響を認識し、健康に関心が高まっているため
  • How(どのように):時間や労力が限られている中、健康的な生活を実践することが難しく、健康的な生活を旅行先などで取り戻そうとする傾向がある

問題を魚の骨図法で整理する

魚の骨図法とは、問題解決のために問題の要因や影響を明確にする手法の一つです。以下に健康志向の人の問題を魚の骨図法を用いて考えてみます。

  • 頭(問題点):健康志向の人が、普段の生活では自分が理想とする健康生活を実践できていないという課題がある
  • 骨(主な要因):仕事や家事など忙しい生活スタイル、ストレスや運動不足、誘惑によるジャンクフードの摂取などが挙げられる
  • 鰭(影響):生活習慣病のリスクの増大や健康への不安感が生じ、健康意識の高まりや健康に関する情報収集が増加する
  • 尾(解決策):運動や食事の改善、ストレス管理、睡眠の充実などの健康習慣の改善に加え、旅行先での健康的な食事やサービスの提供が求められる

定義した問題をまとめる

最後に5W1Hや魚の骨図法などで整理した内容をもとに定義した問題をまとめます。

課題(問題)
健康志向の人は、自分が理想とする健康生活を普段はできていない。
原因
忙しい仕事や日々の生活の中で、健康に配慮することが難しい状況にある。
結果
健康志向の人は、旅行先において、普段できない健康活動を思い切り楽しみたいという欲求がある。
影響
健康志向の人が、旅行先において健康的な環境や食事、アクティビティを求める需要が高まっている。
改善策
ホテルや旅館などの宿泊施設において、健康的な食事やスポーツジムの利用、スパやヨガなどの健康サービスの提供などが求められる。

このように、問題定義は解決すべき課題を明確にするために行われる作業であり、その結果として問題解決の方向性や目的が明確になります。問題解決に向けての重要な第一歩であり、その後のアクションプランの立案や実行につながります。

③アイデア創出:多角的な視点からアプローチする

アイデア創出とは、定義した問題や課題に対して多角的な視点を持ち、様々なアプローチ方法を考え、それに基づいてアイデアを生み出す行為です。

多角的な視点を持つためには、専門知識を持った人や外部の専門家、顧客や生活者の声を取り入れることが有効です。また、自分自身の視点を変えたり、異なる業界や分野からアイデアを拾ってくることも大切です。

アプローチ方法としては、ブレスト法やマインドマップ、アサーション法などがあります。

ブレスト法でアイデアを洗い出し

ブレスト法とは、アイデアを多数生み出すための創造的な思考法の一つです。グループで行う場合が多く、短時間で多数のアイデアを出し合い、それらを組み合わせて新しいアイデアを生み出すことが目的です。

具体的な手順としては、まずテーマを決め、そのテーマに関連するキーワードやアイデアを、制限なしにできるだけ多く書き出します。その後、書き出したアイデアを組み合わせたり、発展させたりすることで、より創造的なアイデアを生み出していきます。

今回は健康志向の人に向けたホテル側が提供するサービスについてアイデア例を「食事」「設備・環境」「アクティビティ」の3つを軸に挙げてみます。

健康志向の人に向けた食事へのアイデア

  • ゲストのアレルギーや食品嫌いに対応したオーダーメイドメニューを提供する。
  • ローカルフードを中心に、地元産の食材を使用した料理を提供する。
  • 食物繊維豊富な食材を使った特別なメニューを提供する。
  • シェフによる調理デモンストレーションや料理教室を開催する。
  • 野菜中心のランチメニューを提供する。
  • 自家栽培の野菜を使用した特別な料理を提供する。
  • 珍しいスーパーフードを使ったメニューを提供する。
  • グルテンフリーや低糖質メニューを提供する。
  • エネルギー源として良質な脂質を多く含む食材を使ったメニューを提供する。
  • 地域のフードトラックや市場を巡るフードツアーを企画する。
  • 宿泊者向けに栄養学の勉強会を開催する。
  • ベジタリアン専門レストランを併設する。
  • ベジタリアン向けのバーを併設する。
  • サプリメントバーを併設し、体調に合わせたドリンクを提供する。
  • ジュースクレンズプログラムを提供する。
  • 魚介類や肉の代わりに、豆腐やきのこを使ったメニューを提供する。
  • シェフによる個人指導で、自分で健康的な食事を作るコースを提供する。
  • 食事のカロリーや栄養素を表示するメニューを用意する。
  • ビーガンやマクロビオティックメニューを提供する。
  • ドライフルーツやナッツなどのスナックバーを提供する。

健康志向の人に向けた設備へのアイデア

  • サウナやスパ施設を設置する
  • 客室にヨガマットやエクササイズマシンを備え付ける
  • ウェルネスセンターを設け、カウンセリングやマッサージ、ヨガクラスを提供する
  • 睡眠に配慮した枕やマットレスを用意する
  • 客室に自然光を取り込む
  • 客室にアロマディフューザーを設置する
  • 客室に癒し系の音楽を提供する
  • 客室に温泉風呂や露天風呂を設置する
  • フロントで軽いストレッチやヨガのクラスを開催する
  • 睡眠のサポートとして、自然音楽やホワイトノイズを提供する
  • 睡眠前の入浴時にリラックス効果のあるバスアメニティを提供する
  • 客室にグリーンウォールを設置する
  • 客室に自然素材を使用した家具を配置する
  • 客室にハーブティーなどの癒し系ドリンクを提供する
  • 客室に照明の明るさを調節できる機能を設ける
  • トレーニングルームを設置する

健康志向の人に向けたアクティビティのアイデア

  • ヨガやピラティス、ストレッチなどのサービスを提供する。
  • ヨガのポーズのアシストや、ストレッチの方法など、より深い理解を深めるためのワークショップを提供する
  • マッサージやアロマセラピーなどのトリートメントを提供する。
  • ハイキングやトレッキング、山登り、自転車ツアーなど、自然と一体となれるアクティビティを提供する。
  • マインドフルネスや瞑想、ヨガネィドラなどのクラスを提供する。
  • サプリメントや健康食品、オーガニック製品などの販売を行う。
  • ネイチャーテラピー、森林浴、自然観察など、自然を使ったセラピーを提供する。
  • レンタル自転車やレンタルカヤックなど、アウトドアアクティビティのレンタルサービスを提供する。
  • アロマキャンドル作りや手作り化粧品など、自分で作ることでリラックスできるクラスを提供する。
  • 地元の農家と提携して、農業体験プログラムを提供する。
  • ワイナリーや酒造所とコラボレーションして、健康的なワインや酒の試飲イベントを開催する。

このように、アイデア創出では実現可能かどうかは別にして様々な視点やアプローチを持ちながら、自由に発想することが重要です。そのためには、発言を出しやすい自由でオープンな雰囲気を作ることも大切です。

また、一度に完成を求めず、アイデアを自由に出し合い、複数のアイデアを組み合わせたり、改良したりすることで、より良いアイデアを生み出すことができます。

④プロトタイプ作成

プロトタイプ作成とは、アイデアを形にするための具体的なモデルや試作品を作成することです。プロトタイプは、アイデアの具体的な形を見ることができるため、実際のユーザーの反応や意見を取り入れ、製品やサービスを改良することができます。丁寧に行うことが成功への鍵となります。

具体的には、以下のようなプロセスで行われます。

  • アイデアの具体的な仕様を決定する。
  • 必要な材料や資源、人材などを確保する。
  • 試作品やモデルの設計を行う。
  • 試作品やモデルを製作する。
  • 製作した試作品やモデルをテストする。
  • ユーザーの意見やフィードバックを収集し、改良を加える。

例えば、今回のアイデアの中で「ゲストのアレルギーや食品嫌い、グルテンフリー、低糖質などの要望に応じたオーダーメイドメニューを提供する」を採用する場合、以下の点に注意しながら作り上げていきます。

食材や調味料の選定
アレルギーや食品嫌いに対応するためには、そのゲストが食べられる食材や調味料を用意する必要があります。また、グルテンフリーや低糖質に対応するためには、特定の食材や調味料を使う必要があります。

料理の調理法や衛生面に注意する
料理の調理法や衛生面に注意する:オーダーメイドメニューを提供する際には、料理の調理法や衛生面にも注意が必要です。例えば、アレルギー対応の料理は別の調理器具や調味料を使う必要があるため、調理するスペースや器具を確保し、別の調理器具を使用するなどの対応が求められます。

ゲストの要望を正確に確認する
アレルギーやグルテンフリー、低糖質など、ゲストの要望は様々であるため、事前に確認しておかないと、要望に応えられない場合があります。予約時にチェックシートや質問欄などを設けるなど、NG食品を正確にヒアリングできる体制を整える必要があります。

スタッフ間の共有
アレルギーや食品嫌いなどの特別な要望に対応する場合、その情報を正確に共有することが必要です。スタッフ全員がその情報を把握し、迅速に対応することができるように、トレーニングやマニュアルの作成など、適切な対策を講じる必要があります。

これらの注意点を考慮しながら、必要な人材や材料を準備して試作します。料理のメニューだけではなく、サービス一連の流れに抜け漏れがないように完成度を高めていくことがプロトタイプ作成では大事です。

⑤テスト

テストは、プロトタイプを実際のユーザーに評価してもらい、製品やサービスの改善点や問題点を把握するための重要なステップです。プロトタイプの完成度を高めるために欠かせないプロセスであり、得られたフィードバックをもとに、製品やサービスを改良することができます。

例えば、「アレルギー対応料理は味が薄かった」「見た目が地味」「グルテンフリーのパンはもう少しふんわり感が欲しい」というような意見が出るかもしれません。

このようなフィードバックを元に、メニューの改良や工夫が必要となります。

テストは一度だけではなく、繰り返し行うことが重要です。この過程で、ユーザーから得られたフィードバックをもとに、製品やサービスの改善点を洗い出し、改良を加えていきます。継続的に改善することで、顧客や生活者が本当に求めている製品やサービスを提供することができ、満足度を高めることができます。

デザイン思考で小さな会社の強みを最大限に引き出そう

健康志向の人に向けたサービス創出を例に、デザイン思考の概要とその重要性についてご紹介しました。デザイン思考は、見た目のデザインに留まらず、顧客や生活者のニーズや欲求を発掘するためにアンケートやインタビューを行い、アイデアを練り上げ、プロトタイプを作成し、テストを重ねて製品やサービスを改良していくプロセスです。

この手法は会社の規模や業界に関わらず活用することができ、私たちが日常的に使用している製品やサービスも、デザイン思考に基づいて生まれています。是非、あなたのビジネスやプロジェクトに取り入れて、より良い製品やサービスを生み出していきましょう。